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■RSウイルス感染症、流行の兆し 昨年に迫る勢い [健康ダイジェスト]

 冬場にかけて流行し、乳幼児に肺炎や気管支炎などを引き起こすRSウイルス感染症が、流行の兆しを見せています。調査を始めた2003年以降最多だった昨年に迫る勢いです。
 毎年、秋から冬にかけての長い期間に渡って流行し、12~1月にピークを迎えますが、全国的にも2011年、2012年と2年連続して7月ごろから増加傾向がみられるなど、近年は流行の立ち上がりが早まる傾向にあります。
 RSウイルス感染症は、せきやくしゃみのしぶきなどから感染します。厚生労働省は、乳幼児と接する機会のある人は手洗いをし、症状がある場合はマスクをするよう呼び掛けています。
 国立感染症研究所によると、全国の指定医療機関から報告された患者数は、9月16日~22日の最新1週間に、速報値で3377人。前週よりわずかに減ったものの、20011年の同時期に比べ約3倍。特に東京都、大阪府、福岡県の都市部や、鹿児島県や宮崎県などで多くなっています。
 RSウイルスは呼吸器合胞体ウイルスともいわれ、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。乳幼児が最も感染しやすいウイルスで、1歳の誕生日までに70パーセントの乳児が初感染し、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染するとされます。
 通常、健康な乳幼児が感染した場合、38~39度程度の発熱、鼻水、せきなどの症状が出て、多くは8~15日ぐらいで治まります。発熱症状がないこともあります。
 ただ、RSウイルスは一度感染しても持続的な免疫ができにくく、予防ワクチンや特効薬もないのが現状。このため、RSウイルスに感染しないよう、手洗いを徹底し、接触感染を防ぐため流行期に子供が集まる場所になるべく行かないなど、ふだんの生活で対策を取ることが重要になります。
 特に肺炎や気管支炎、脳症を起こして重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされます。
 重症化を防ぐ手段としては「シナジス」と呼ばれる抗体製剤の投与がありますが、100ミリグラムで約15万円と費用が高いのがネック。ただ、29~35週の早産で6カ月以下の新生児や乳児などは健康保険が適用され、重症化のリスクが高い早産児には投与が勧められます。

 2013年10月2日(水)




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