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■臓器維持装置、脳死肺移植で初使用 岡山大学病院 [健康ダイジェスト]

 岡山大学病院(岡山市北区)は23日、東京都内の病院で22日に脳死と判定された30歳代の女性から提供された肺を専用装置につなぎ、体外で弱った機能を回復させる「体外肺灌流(かんりゅう)技術(体外臓器リカバリーシステム)」による脳死肺移植手術を、重い肺の病気を抱える四国地方に住む30歳代の女性患者に国内で初めて実施、成功しました。
 移植を受けた女性患者の容体は安定しており、順調に回復すれば3カ月ほどで退院できる見通しだということです。
 執刀医の大藤剛宏肺移植チーフは記者会見で、6移植施設が提供された肺を断ったことに触れ、「通常では断念せざるを得ないほど弱った肺だった。患者さんを救命できたことに加え、我々にとっても長い間準備してきた大きなプロジェクトで、成功はうれしい。今後も有効に活用する」と話しました。
 患者は異常細胞が肺などで増殖し、呼吸困難に陥るリンパ脈管筋腫症の女性。移植しか治療法がなく、2012年に日本臓器移植ネットワークに登録していました。
 岡山大学病院によると、大藤チーフらチーム約30人による手術は午前11時2分に始まりました。提供肺は同10分に病院に到着。機能が弱り、移植するには体外肺灌流技術を使った体外での機能評価と治療が必要と判断しました。
 提供肺はドーム状のケースに入れて人工心肺装置につなぎ、人工呼吸器で空気を送り込み、血液に代わる液体の特殊薬剤を循環させたほか、抗生物質の投与やたん吸引などを行い、機能を回復。患者の体内に移し、午後9時22分に終了しました。
 欧米ではすでに実施されている同技術は、大藤チーフが2006年に短期留学したスウェーデンで習得。岡山大学倫理委員会の実施の承認を受け、9月下旬、導入に向けた最終的なシミュレーションを行って手順などを確認していました。
 岡山大学病院の脳死肺移植は47例目、生体と合わせ115例目。

 2013年10月24日(木)




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