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■日本初の母乳バンクがスタート 昭和大小児科、低出生体重児に対応 [健康ダイジェスト]

 病気や早産で母乳が出ない母親に代わり、別の女性の母乳を提供する日本初の「母乳バンク」が、昭和大学医学部小児科(東京都品川区)でスタートしました。
 あまり聞き慣れない言葉ですが、母乳バンクは欧米各国を始め、中国、フィリピン、トルコ、ブラジルなど約40カ国でも設立され、海外では珍しくない存在です。
 小さく生まれた新生児は、免疫の働きが不十分で、さまざまな病気のリスクを避けるには母乳が効果的です。高齢出産や不妊治療による多胎などで、小さい新生児の割合は増えており、5年以内にNPO法人化して、全国展開を目指します。
 学内の倫理委員会の承認を得て、スタートしました。
 同大医学部小児科の水野克己准教授によると、早産では新生児が2500グラム未満の低出生体重児になるだけでなく、母親も母乳を出す準備ができていないことがあります。早産で小さく生まれた新生児は体の働きが未熟で、腸に穴があく壊死性腸炎や未熟児網膜症、慢性的な肺の病気などのリスクが上がります。
 母乳にはこれらのリスクを下げる成分が含まれているため、出産から2~3日以内に飲ませることが有効。成分の中でも重要なのは腸の粘膜を成熟させて、バリア機能を作る作用で、母乳が腸管を通る中で自然と新生児の腸が整えられ、無理のない栄養吸収ができるようになります。
 こうした効果は粉ミルクでは期待できず、新生児が粉ミルクのたんぱく質を上手に吸収できなかったり、腸に壊死などのトラブルが起きやすくなる心配もあります。
 母乳バンクへの提供者は、早産で小さく生まれた新生児に必要な成分が含まれている母乳が出る人が望まれます。このため、同じく早産ながら、母乳が多く出る女性に協力してもらいます。母乳にウイルスなどの感染症がないことを確認して、低温殺菌処理した後、マイナス70度で冷凍します。提供、利用ともに無料とします。
 近年、高齢出産や不妊治療の増加に伴って、低出生体重児の割合は増えており、2012年は新生児の約10パーセント、10万人近くに上っています。

 2013年10月27日(日)




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