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■用語 多発性血管脂肪腫 [用語(た行)]

[ダイヤ]脂肪腫の特殊なタイプで、血管成分が多く、四肢や体幹の皮下組織に多発する腫瘍
 多発性血管脂肪腫(しゅ)とは、四肢や体幹などの皮下組織に多発し、脂肪組織と血管組織からなる良性の腫瘍(しゅよう)。血管脂肪腫とも呼ばれます。
 皮膚のすぐ下に脂肪組織が蓄積して発生する良性腫瘍である脂肪腫の特殊なタイプで、脂肪腫の約10パーセントを多発性血管脂肪腫が占めると見なされます。
 通常の脂肪腫は痛みやかゆみなどの自覚症状がなく、ゆっくり増大する軟らかな腫瘍であるのに対して、多発性血管脂肪腫では軽い自発痛や圧痛が認められることが多いのが特徴の一つで、脂肪腫より境界がはっきりとし、やや硬い感じがします。
 多発性血管脂肪腫の大きさは直径1〜2センチ程度までのものが多く、小さめです。しかし、腫瘍が発生してから大きくなるまでの期間が短く、まれに鶏卵並みの大きさになることもあります。
 中高年の男性に好発し、上肢、下肢、腰腹部にしばしば多発しますが、頭部、顔面、手のひら、足底に発生することはまれです。
 多発性血管脂肪腫は繊維質の薄い膜に包まれてできていることが一般的で、赤色が混じった白色をしています。顕微鏡で組織を検査した場合、さまざまな割合で脂肪組織と毛細血管組織から構成されています。
 多発性血管脂肪腫が発生する詳しい原因は、不明です。元々ある血管腫が脂肪組織内に侵入して多発性血管脂肪腫になるという説や、脂肪腫として発生した組織の辺縁にある血管が外的刺激で血栓を生じ、内皮細胞が増殖して多発性血管脂肪腫になるという説などがあります。
 残念ながら、一度発生すると自然に消えることはまずありません。多発性血管脂肪腫の受診科は、皮膚科、皮膚泌尿器科、整形外科、形成外科です。
[ダイヤ]多発性血管脂肪腫の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科、整形外科、形成外科の医師による診断では、ほとんどの場合は皮膚症状だけで判断できます。触診で疑問があったり、変わった部位に発生している場合は、そのほかの種類の腫瘍である疑いも出てきますので、超音波(エコー)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査、MRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行います。
 それでもはっきりしない場合は、確定診断のために、局所麻酔をしてから腫瘍の一部を切り取り、顕微鏡で調べる検査である生検を行います。画像検査では、悪性腫瘍に分類される脂肪肉腫と区別が困難なこともあり、生検を行ったほうがよいこともあります。
 皮膚科、皮膚泌尿器科、整形外科、形成外科の医師による治療では、部位的に接触することが多くて痛みを感じる場合、化膿(かのう)した場合、関節の部位に発生して普通の動きを妨げる場合、大きくなってきた場合、体の比較的目立つ部位に発生し見掛けが気になる場合は、手術によって多発性血管脂肪腫を摘出します。
 手術では局所麻酔をした上、腫瘍の直上をほぼ腫瘍の直径に一致するように切開し、被膜を破らないように周囲組織からはがして、赤色が混じった白い脂肪の塊を摘出します。摘出後は、血がたまる血腫を予防するため十分に止血し、縫合処置を施します。
 必要に応じて、ドレーン(誘導管)という合成樹脂性のゴムを挿入し、貯留する血液や浸出液を体外へ排出する処置を施し、切開部を圧迫、固定する縫合処置を施すこともあります。ドレーンは2日後に取り除き、1週間後に抜糸します。
 このようにして摘出した多発性血管脂肪腫の再発は、まれです。

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