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■ピルの服用も注意が必要、血栓症を起こす恐れ 5年で11人が死亡 [健康ダイジェスト]

 避妊や月経痛の治療に使われるピル(経口避妊薬)を飲んだ後に、血の固まりができる血栓症の副作用によって、この5年間で11人が死亡し、重症例が361件報告されていることがわかりました。
 日本産科婦人科学会(日産婦)は緊急に注意を呼び掛けたほか、厚生労働省研究班も実態調査に乗り出しました。
 医薬品の安全を管理する独立行政法人の集計などによると、2008年~2013年上半期に、低用量ピル11品目で、血の固まりが血管をふさぐ血栓の重症例が延べ361件、副作用として報告されていました。死亡は11件で10歳代1人、20歳代2人、30歳代4人、40歳代1人、50歳代2人、不明1人でした。
 血栓は血の流れが遅い静脈にできやすく、ピルを使わなくても10万人当たり年5人の頻度で起きます。ピルはこのリスクを3~5倍引き上げます。ピルに含まれる女性ホルモンが血液を固める成分の合成を促すためです。
 副作用の報告はピルとの因果関係が不明の例も含めて、2008年の33件から2012年の105件に増え続けていました。
 ピルは避妊だけでなく、重い生理痛や子宮内膜症などの治療薬として広がっています。子宮内膜症は、治療しないと不妊や卵巣がんのリスクが高まるからで、2008年以降、2品目が保険適用されました。
 日本家族計画協会専務理事の北村邦夫医師(産婦人科)によると、ピルの売り上げは2008年から4年間で約1・5倍に増え、利用者は推定100万人に上ります。
 日産婦は今年2人死亡したことを受け、注意を喚起。血栓の前兆になる頭や胸、腹、ふくらはぎの痛み、視野の異常などがあれば、すぐに専門医に診断を頼むよう求めました。
 北村医師は、「事前には血栓が起きるかわからない。血栓は治療薬があるので、早く見付かれば重症化を防げる」と話しています。
 厚労省研究班は2000を超える医療施設を対象に、ピルなどの女性ホルモン剤と血栓の頻度など副作用の詳しい実態を調べ、安全策を提言します。担当する小林隆夫・浜松医療センター院長は、「ピルは比較的、副作用が少ない薬だが、血栓が起き得ると思って使うことが大事だ」と話しています。

 2013年12月18日(水)

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