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■用語 後天性巨大結腸症 [用語(か行)]

[レストラン]腸管が細くなって慢性の便秘になり、大腸の大部分を占める結腸の一部または全部が著しく拡張する疾患
 後天性巨大結腸症とは、腸管が細くなって慢性の便秘になり、大腸の大部分を占める結腸が著しく拡張する疾患。
 この後天性巨大結腸症は、ほかの疾患に付随して起こる症候性巨大結腸症と、原因が明らかでない特発性巨大結腸症に分けられます。
 成人にみられる後天性巨大結腸症は、先天的に腸の壁にある神経が欠損しているために腸の運動に障害が生じて起こる先天性巨大結腸症が小児期に発見されなかった場合もありますが、症候性巨大結腸症と特発性巨大結腸症の占める割合が小児に比べて高いとされています。
 症候性巨大結腸症を合併する疾患としては、全身性エリテマトーデス、アミロイドーシス、全身性硬化症による筋肉の障害、鉛中毒、甲状腺(こうじょうせん)機能低下や低カリウム血症などの代謝異常、パーキンソン病、糖尿病性神経障害、脊髄(せきずい)損傷などの神経系の病気、感染症および炎症性の疾患、中毒性大腸炎、シャーガス病などがあります。
 また、直腸や結腸の悪性腫瘍(しゅよう)や、手術後の癒着による便やガスの通過障害、精神的ストレスによる自律神経の働きの乱れ、精神安定剤や下剤などの乱用による薬の副作用が原因になることもあります。
 後天性巨大結腸症の症状としては、強い便秘があり、腹部膨満、吐き気、嘔吐(おうと)がみられます。
 早急に対処しなければ命にかかわるという重症は少ないようですが、慢性的な便秘が続くと、さまざまな症状が現れてきます。嘔吐を繰り返す場合では、栄養障害が起こる場合もあります。
 頑固な便秘が続く場合は、消化器科、ないし内科を受診することが勧められます。
[レストラン]後天性巨大結腸症の検査と診断と治療
 消化器科、内科の医師による診断では、腹部X線(レントゲン)検査を行い、大量の便やガスが停滞し著しく拡張した大腸を確認します。
 より精密な診断を下すには、腸の特殊な運動機能検査や、直腸の粘膜を一部採って特殊な染色を行った上で顕微鏡で調べる生検を行います。また、原因となっている疾患を特定する精密検査を行います。
 消化器科、内科の医師による治療では、原因となる疾患が特定された時はその治療を行った上で、便秘を改善する対症療法を行います。
 排便の習慣をつけるための腹部マッサージ、規則的な浣腸(かんちょう)や洗腸、軟便となり排便回数が増加する緩下剤の投与のほか、副交感神経刺激剤を投与することもあります。
 便秘を改善するために、食物繊維の多い食事を取る、規則正しい生活を送る、適度な運動を行うなど日常生活での改善も行います。
 精神的ストレスが原因で起こっている場合は、抗不安薬などの向精神薬を用いることもあります。
 内科的治療や生活習慣の改善で症状の緩和がみられない場合は、結腸を切除するなどの外科的な手術を行います。これにより多くの場合は完治しますが、将来的に肛門(こうもん)の機能が低下し、人工肛門(消化管ストーマ)を形成することもあります。

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