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■がん患者数、2030年までに1・5倍に急増 WHOが対策を要請 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)は、新たにがんになる患者の数が今後20年以内に、発展途上国を中心に、現在の1・5倍以上に増える恐れがあるとする報告書を発表し、各国政府に健康診断の機会を増やすなど、がんの早期発見や予防に向けた取り組みを進めるよう呼び掛けています。
 また、タバコの消費を減らすために値段を上げることや、糖分を多く含む清涼飲料水やアルコールの販売を規制することなども、がんにかかるリスクを減らす効果があると評価し、各国政府はこうした法律の整備にも取り組む必要があるとしています。
 報告書は、2月4日の「世界がんの日」を前に、WHOの専門機関の国際がん研究機関(IARC)が発表したものです。
 この報告書では、新たにがんになる人は年々、増え続け、2012年に世界で年間1400万人だった患者数が、2030年までに1・5倍に増え、年間2160万人に達するとの予測しています。その間、がんにより死亡する人は年間820万人から1300万人に増えるとしています。
 2030年までに世界人口が増えるとともに高齢化し、リスクの高い生活習慣を持つ人が増えるのが、その理由です。がんは2011年に心疾患を抜いて、世界の死因の第1位となっています。
 WHOのマーガレット・チャン事務局長は、「全体的にがんによる打撃が最も大きいのは発展途上国で、貧困によってウイルス感染や別の疾患を治療できないために発症するがんと今もすでに闘っている」と語りました。また、貧困とは別に喫煙やアルコール摂取、加工食品、運動不足といった先進国的な生活習慣の変化も、がんの原因となっているといいます。
 死亡する患者が最も多いがんの種類は肺がんで、全体の19・4パーセントを占め、次いで肝がん9・1パーセント、胃がん8・8パーセント。中でも、タバコの売上増を目指す企業の戦略と肺がんの増加には「密接なつながり」があると、報告書は指摘しています。
 がんの発症には地域差があり、世界全体の患者数の60パーセント以上、死亡例の70パーセント以上はアフリカ、アジア、中南米で報告されています。その一方で、人口比を考慮すると、北米や西欧、日本や韓国、オーストラリアやニュージーランドといった高所得国で罹患率が高くなっています。
 2012年にがんと診断された新たな患者数は、全世界でアジアが半数近くを占め、その大半は中国でした。次いで欧州が25パーセント、北中南米が20パーセント、アフリカ・中東が8パーセント強。死亡した患者数では、アジアが50パーセント以上と突出し、欧州21・4パーセント、北中南米16パーセント、アフリカ・中東が約10パーセントでした。
 発展途上国では、進行してしまってからがんと診断されることが多く、また治療も受けにくいと、報告書は指摘しています。
 IARCIのクリストファー・ワイルド事務局長は、がん対策で最も力を入れるべき点は予防だとしつつ、「低・中所得国に今後、降りかかると予測されるとりわけ大きな重荷は、がん撲滅をほぼあり得ないものにしているし、高所得国でさえ上昇する治療費や介護費のコストへの対応に苦しむことになるだろう」と語りました。

 2014年2月4日(火) 

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