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■用語 レッグ・カルベ・ペルテス病 [用語(れ)]

[くつ]主に4~8歳ごろの男の子の股関節に起こり、足の引きずり、痛みが生じる疾患
 レッグ・カルベ・ペルテス病とは、主に4~8歳ごろの男の子の股(こ)関節に起こる疾患。成長期の子供の成長軟骨に障害が起きる骨端症の一つです。
 1910年に、アメリカのレッグ、フランスのカルベ、ドイツのペルテスという3名の医師が別々に報告し、正式にはレッグ・カルベ・ペルテス病と呼ばれますが、国によって呼び名が異なり、日本では慣用的にペルテス病とも呼ばれています。
 ぶつけたり、歩きすぎたなどの特別な原因はないのに、歩く時に足を引きずったり、股(また)の付け根や太もも、時に膝(ひざ)を痛がります。引きずりや痛みは少し休むと取れますが、よく見ると太ももの筋肉がやせていたり、太ももを外側に倒したり、内側にひねる時に痛みを強く感じるために、あぐらがかけなかったりします。
 股関節の血流不足によって、太ももの骨である大腿(だいたい)骨近位骨端部という、骨の頭が球形に成長する部位が崩れて、壊死(えし)するために起こります。血液の流れが悪くなる血行障害の原因については諸説ありますが、いまだは不明。
 骨頭がどんどん崩れていきますが、ある時期を経て、血液の流れが再びよくなると骨のほうも修復してきます。2〜3年以内に、壊死した骨が吸収された新たな骨が形成され、元のように回復します。
 ただし、壊死が進行している間に股関節に体重をかけていると、骨頭に変形を残したまま治るので、できるだけ崩れが少なくすむように、一定期間体重を股関節にかけないでいることが必要となります。骨頭の変形を残すと将来、股関節の障害が出現し、40〜50歳以降には人工股関節置換術を余儀なくされます。
 成長期の子供に足の引きずり、痛みの訴えがある場合は、整形外科などを受診し適切な経過観察や治療を受けるべきです。
[くつ]レッグ・カルベ・ペルテス病の検査と診断と治療
 整形外科、ないし形成外科の医師による診断では、壊死範囲や修復の程度を評価するために、X線(レントゲン)検査やMRI(磁気共鳴画像撮影)検査を行います。
 レッグ・カルベ・ペルテス病は両側の股関節に発症することもありますが、この場合でも両側同時に起こるわけではなく、左右でX線画像が異なります。このことが鑑別診断の際に重要です。
 鑑別が必要な疾患には、骨端異形成症などの骨系統疾患、マイヤー病、血友病などの血液疾患による骨頭の変化、甲状腺(せん)機能低下症に伴う骨頭変形など多数の疾患があります。
 整形外科、ないし形成外科の医師による治療では、痛みの程度、足の引きずり具合など数年にわたる観察が必要で、年齢と壊死した範囲によって治療方法は変わります。
 5歳以下で発症したものは、放っておいても訴えは軽く、骨もきれいに修復されるので経過をみます。骨頭の崩れた範囲が2分の1から3分の1以下の時も、何もせずに経過をみます。それ以上崩れた時は、骨頭を保護しながら、骨頭が球形に矯正されるのを待ちます。
 骨頭を保護する方法には、装具の装着と手術があります。装具にはいろいろな種類がありますが、装具は一度つけると生活が不自由で、何年もつけなければなりません。
 手術では、大腿骨を骨頭近くで切って、骨頭が関節の中に納まるように骨の角度を整えます。骨がつくまでの間は運動が制限されますが、それ以後は元の生活に戻れます。治療成績は手術療法が圧倒的に良好であり、股関節の良好な可動性が維持されます。
 骨頭の崩れた範囲が広い場合や、8歳以上で発症した場合は、適切な治療を行っても骨頭の最終的な形が球形に矯正されにくくなります。同年齢での発症では、骨成熟までの年数が少ない女の子のほうが球形に治りにくい傾向にあります。

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