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■子宮筋腫の切除装置での内視鏡手術、がん広げる恐れ 米国が自粛要求 [健康ダイジェスト]

 多くの女性が悩む子宮筋腫で、内視鏡手術ができなくなる恐れが出てきました。内視鏡手術で筋腫を細かく切除する装置「モルセレーター」について、がんがあった場合にがんをまき散らすリスクがあるとして、米国が使用を控えるよう求めたためです。
 これを受け、産婦人科の医師で作る日本産科婦人科内視鏡学会は21日、対応を協議する会合を開いた結果、日本では事前に腫瘍が良性か悪性かを高い精度で調べるMRI検査が普及しているため、リスクは極めて低いものの、今後、このモルセレーターでの内視鏡手術を受ける患者にはリスクをきちんと説明することや、すでに手術を受けて不安な人には医師に相談するよう呼び掛けることを決めました。
 モルセレーターは、筋腫などを細かく切除して吸い取ります。ただ、良性の腫瘍である筋腫と見分けにくいがんもあり、米食品医薬品局(FDA)によると、子宮筋腫の手術を受ける患者の0・3パーセントにがんがあったといいます。
 FDAは4月に、腫瘍ががんだった場合周囲に広げる恐れがあるとして、モルセレーターの使用を控えるよう求める通知を医師に出しました。
 日本でモルセレーターを販売しているのは2社で、2000年に承認された米国製がシェアの大半を占めます。米国製は5月上旬に、日本でも販売を停止しました。もう1社のドイツ製も、一時販売停止しました。
 消耗品のため、在庫がなくなれば、モルセレーターでの内視鏡手術ができなくなります。
 子宮筋腫では、成人女性の1〜2割が重い症状に苦しんでいます。内視鏡手術は腹部の傷口が1センチほどで、入院期間も数日ですみます。実施件数は年々増え、2012年では約9000件。ほとんどでモルセレーターが使われました。
 はさみなどによる内視鏡手術も可能ですが、方法が変わることで、ほかの臓器を傷付けるリスクが高まります。
 厚生労働省によると、モルセレーターでがんが飛び散った事例は日本では報告されていません。
 日本産科婦人科内視鏡学会の吉村泰典理事長は、「このモルセレーターが使えないと手術の傷口が大きくなるなどの不利益があるが、通知がある以上、注意が必要だ。今まで、この器具を使った手術を受けた人は病院でもう一度診察を受けてほしい」と話しています。

 2014年5月27日(火)

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