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■用語 先天性膀胱憩室 [用語(せ)]

[トイレ]先天的に弱い膀胱の壁の部分が、尿が通過する際に膨らんで袋状の憩室ができ、外側に突出する疾患
 先天性膀胱憩室(ぼうこうけいしつ)とは、先天的な発育障害のために膀胱の内腔(ないくう)の壁の一部に弱い部分があり、排尿に際して膀胱内の圧力が高まった時に、壁の一部が膨らんで袋状の憩室ができ、外側に突出する疾患。
 膀胱から尿道口までの下部尿路に、何らかの通過障害が来す基礎疾患を伴うために憩室ができるものは、後天性膀胱憩室であり、先天性膀胱憩室に含みません。
 先天性膀胱憩室は男児に多くみられ、約半数が5歳までに、繰り返す尿路感染症の検査の際に発見されています。
 先天性膀胱憩室では、平滑な膀胱壁に1、2個の憩室ができることが多く、尿管が膀胱壁を通過する部分や、膀胱頸部(けいぶ)に好発します。
 無症状で、合併症を伴わないこともあります。しかし、増大して中程度以上の憩室になると、尿が出にくくなり、残尿量が増加します。
 憩室内部には尿がたまりやすいので、尿路感染症を起こしやすく、排尿困難、尿閉、膿(のう)尿、血尿、頻尿、排尿痛、膀胱尿管逆流現象、水腎(すいじん)症などの上部尿路通過障害などを起こすこともあります。
 発熱したり、膀胱や腎臓がはれて、拡張することもあります。
[トイレ]先天性膀胱憩室の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、超音波検査、排せつ性尿路造影、膀胱造影などを行います。
 排せつ性尿路造影では、膀胱頸部以下の尿道通過障害や憩室の拡大の程度、膀胱尿管逆流現象の有無などを知ることができます。膀胱造影では、前後方向に加えて斜め方向から撮影することで、憩室の位置と大きさをより正確に知ることができます。
 泌尿器科の医師による治療では、憩室が小さくて自覚症状もなく、合併症を伴わない場合、経過観察することもあります。
 中程度以上の憩室の場合、できるだけ早期に手術で憩室を切除し、膀胱壁の再建を行います。さらに、膀胱尿管逆流現象や上部尿路通過障害がある場合、手術で尿管口を形成することもあります。

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