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■用語 後天性膀胱憩室 [用語(こ)]

[トイレ]膀胱の壁の弱い部分が、尿が通過する際の圧力により膨らんで袋状の憩室ができ、外側に突出する疾患
 後天性膀胱憩室(ぼうこうけいしつ)とは、膀胱の内腔(ないくう)の壁の一部の弱い部分が排尿の圧力によって膨らみ、袋状の憩室ができて外側に突出する疾患。
 膀胱から尿道口までに、何らかの通過障害があって、排尿に際して膀胱内の圧力が高まった時に、後天性膀胱憩室の状態になります。通常、膀胱粘膜が筋層を貫いています。
 膀胱憩室は、その成因から先天性膀胱憩室と後天性膀胱憩室に分けられます。先天性は男児に多く、後天性は中高齢の男性に多くみられます。
 先天性膀胱憩室は、先天的な発育障害で膀胱壁に弱い部分があるために生じ、尿管が膀胱壁を通過する部分や、膀胱頸部(けいぶ)に憩室が好発し、尿路感染の素因を作り、膀胱尿管逆流を伴いやすくなります。通常は幼児期に、繰り返す尿路感染症の検査の際に発見されます。
 後天性膀胱憩室は、前立腺(ぜんりつせん)肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄(きょううさく)などによる下部尿路の通過障害の影響が最も多く、そのほか膀胱損傷の後遺症、膀胱手術の合併症などで発症します。
 憩室の内部には尿がたまるため、尿路感染が発生しやすく、繰り返す膀胱炎、憩室炎、結石、腫瘍(しゅよう)などの原因となり、頻尿、排尿時の痛み、尿の混濁、残尿感、下腹部違和感などの症状が出ることもあります。
 憩室は長い時間をかけて次第に大きくなるため、排尿後、時間がたっていないのにもう一度ある程度の量の排尿がある二段排尿がみられたり、尿道を圧迫して排尿困難を来すこともあります。
 膀胱炎の症状が長く続く時や、膀胱炎を繰り返す時には、泌尿器科を受診することが勧められます。
[トイレ]後天性膀胱憩室の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、超音波検査、排せつ性尿路造影、膀胱造影などを行います。
 排せつ性尿路造影では、膀胱頸部以下の尿道通過障害や、憩室の拡大の程度などを知ることができます。膀胱造影では、前後方向に加えて斜め方向から撮影することで、憩室の位置と大きさをより正確に知ることができます。
 膀胱憩室が認められた場合には、膀胱鏡検査で憩室の入り口や、可能であればその内部を観察し、結石、腫瘍が発生していないか確認します。
 泌尿器科の医師による治療では、憩室が小さくて自覚症状もなく、膀胱炎、憩室炎、内部の結石などの合併症がなければ、経過観察します。
 憩室がある程度大きい時や、強い自覚症状、合併症のある時には、内視鏡を尿道から入れて憩室を電気凝固します。憩室が大きい時や、悪性腫瘍を合併している時には、開腹して憩室を切除する手術を行うことになります。

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