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■用語 軽度認知障害 [用語(け)]

[ダイヤ]認知症になる前の段階で、健康な状態と認知症の中間にある状態
 軽度認知障害とは、認知症になる前の段階で、健康な状態と認知症の中間にある状態。つまり、認知症ではないものの、全く健康でもない状態です。
 老化に伴う物忘れよりは記憶障害が進んでいますが、それ以外の認知機能障害は現れておらず、日常生活にも支障を来していません。
 認知症になる前の段階といっても、軽度認知障害の人が将来、必ず認知症になるとは限りません。そのまま治療を受けなくても、半数は認知症にならないといわれています。逆にいえば、何もしなければ、半数の人は認知症になるわけであり、将来、認知症を発症する可能性のある予備軍といえます。
 発症する可能性のある認知症は、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく変性性認知症で、最も多いアルツハイマー型認知症のほか、レビー小体型認知症、前頭・側頭型認知症が相当します。
 65歳以上の高齢者で、アルツハイマー型認知症などさまざまな認知症の人は約462万人おり、これに対して軽度認知障害の人は約400万人いると推計されています。
 軽度認知障害の診断は、現状では医療機関への受診が必要なため、「最近物忘れがひどくなった」という状態では受診しない人が多くを占めます。
 しかし、最近の研究では、軽度認知障害の人が適切な治療を受ければ、認知症の発症を防いだり、発症を遅らせたりできることがわかってきています。早期診断で軽度認知障害が発見されれば、一生、認知症にならなくてもすむかもしれないので、早めに精神科、神経内科、内科、あるいは物忘れ外来の医師に相談することが勧められます。
[ハート]軽度認知障害の検査と診断と治療
 精神科、神経内科、内科、あるいは物忘れ外来の医師による診断では、まず記憶テストや問診などを行います。ここで軽度認知障害と診断されれば、脳血流シンチを使用して脳の血流を測定し、アルツハイマー型認知症などさまざまな認知症かどうかを判断します。
 脳血流シンチは2002年ごろから使われ始めた精密診断機器で、注射によって体内に放射性同位元素を微量注入し、その後の脳の血流の様子をシンチカメラで撮影するものです。アルツハイマー型認知症では典型的な脳の血流低下がみられますので、ここで判断することができます。
 精神科、神経内科、内科、あるいは物忘れ外来の医師による治療では、場合により、脳の代謝をよくする薬や、アルツハイマー型認知症の治療薬であるドネペジル(製品名:アリセプト)を使用します。
 軽度認知障害の段階でドネペジルを使用すれば、アルツハイマー型認知症の進行の抑制期間を長引かせる可能性が高くなります。
 軽度認知障害から認知症への進行を防いだり、遅らせるためには、趣味を楽しんだり、人と話したりして、脳を活性化することが有効です。また、食生活の改善や運動不足の解消など、ライフスタイルを見直すことも大切です。

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