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■依存性抑えた新型睡眠薬「ベルソムラ」、11月中にも発売 アメリカの製薬会社 [健康ダイジェスト]

 新しいタイプの睡眠薬が、世界に先駆けて日本で11月下旬にも発売されます。現在、日本で主に使われている睡眠薬は依存性が問題になっていますが、新薬は臨床試験(治験)では依存性が確認されていないとされます。
 この睡眠薬は「スボレキサント(商品名ベルソムラ)」。錠剤で、アメリカの製薬会社である「メルク・アンド・カンパニー(通称MSD)が開発しました。
 脳の覚醒を維持する神経伝達物質の働きを抑えることで、脳を覚醒状態から睡眠状態に移らせるとしています。不安を抑える別の神経伝達物質の働きを強めるなどの従来の睡眠薬とは、作用が異なります。
 日本人も参加した臨床試験では、寝付きをよくし、睡眠を持続できる時間も長くなったといいます。主な副作用は、うとうとすることや頭痛、疲労でした。臨床試験にかかわった久留米大の内村直尚教授は、「半年間の治験期間中、依存性は認められなかった」と説明しています。
 2012年12月4日にメルク・アンド・カンパニーが承認申請を行い、今年の8月13日にアメリカ食品医薬品局(FDA)で承認。日本でも9月26日に承認され、近く販売価格が決まります。用量は成人が1日1回20ミリグラム、高齢者は1日1回15ミリグラム。
 不眠症は夜寝付きが悪い、眠りを維持できない、朝早く目が覚めてしまう、眠りが浅く熟睡感がないなどの症状が1カ月以上続き、それにより日中の強い眠気や倦怠感、意欲の低下、注意力の散漫、食欲不振、さらには疲れや種々の体調不良にもつながる病気です。
 不眠症は男性よりも女性に多いといわれており、また、加齢とともに増加し、特に中年から老年へと進むにつれて急激に増加する傾向にあります。日本人の10人に1人が何らかの不眠症の症状で悩んでいるとされており、欧米に比べて受診率が低く、睡眠が浅くなるアルコールに頼る人が多いのが特徴。
 厚生労働省の研究班の調査によると、成人の20人に1人が睡眠薬を服用しているといいます。
 現在、日本の医療機関で処方されている睡眠薬は、ベンゾジアゼピン(BZ)系薬が8割近くを占めていますが、このベンゾジアゼピン系薬は薬をやめられなくなる依存性が高く、服用を中止した時に生じる不安感や不眠などの離脱症状が問題視されており、欧米では処方が控えられ、長期的な使用も制限されています。
 こうした状況から、依存性を抑えた薬の開発が待たれていました。ただ、アメリカ食品医薬品局(FDA)はベルソムラを8月に認可した際、薬の影響が翌朝まで残ることなどを理由に、日本人の成人用量の半分に当たる1日1回10ミリグラムからの使用を推奨しました。
 アメリカでは、睡眠薬服用者の運転で起きる交通事故が問題となっており、FDAは睡眠薬全般に慎重な姿勢をとっているといいます。アメリカでの発売は、年明けになる見込み。
 国立精神・神経医療研究センターの三島和夫部長は、「長期間使ってみないとわからないこともある。薬の選択肢が増えることで、適切な処方が広がってほしい」と話しています。

 2014年11月10日(月)

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