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■野菜や果物を多く食べる男性ほど、下部胃がんリスク減 国立がんセンタ―が研究 [健康ダイジェスト]

 野菜や果物を多く食べる日本人男性は、胃の下部にできるがんのリスクが低下するという研究成果を、国立がん研究センターなどの研究チームがまとめました。
 野菜や果物に含まれる抗酸化作用のある成分が、胃がんの原因の一つであるピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の働きを抑えると考えられるといいます。欧州のがん専門誌に発表しました。
 胃がんは、日本で最も発生頻度が高く、死者数は2位の重大な病気の一つ。胃の下部3分の2に発生する下部胃がんは、日本人男性に多くみられます。
 海外では野菜や果物を摂取すると胃がんの予防に効果的であるという研究が数多くあり、世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICRA)のプログラムでも、野菜と果物が胃がんを予防するのはほぼ確実とされています。
 しかし、日本人を対象とした大規模な研究はこれまで少なかったため、国立がん研究センターの研究チームは国内で行われている大規模な疫学研究をとりまとめて解析を行い、日本人の生活習慣とがんのリスクの関連を解明する研究を行っています。
 今回の調査の対象となったのは、3つの大規模な疫学研究に参加している19万1232人。調査開始時の食事に関するアンケート調査から、野菜と果物の摂取量を1日にとる野菜、緑黄色野菜、果物、野菜と果物で推定し、5グループに分けました。
 平均で約11年の追跡期間中に胃がんになった2995人について、5グループごとの胃がんリスクを比較しました。その結果、野菜と果物の摂取によって胃がん全体のリスクが低下する傾向がみられるものの、有意性は認められませんでした。
 次に研究チームは、胃の上部3分の1に発生する胃がんと、胃の下部3分の2に発生する胃がんで解析。胃がんになった人のうち、胃の上部3分の1に発生したのは258人、胃の下部3分の2に発生したのは1412人で、摂取量の最も少ないグループを基準として胃がんリスクを分析しました。
 その結果、男性の下部胃がんについては、野菜や果物全体の摂取量が最も多いグループでは、最も少ないグループに比べ発症リスクは0・78倍と有意に低く、摂取量が多いほどリスクが低下する傾向がみられました。緑黄色野菜の摂取量についても、同様に有意なリスク低下がみられました。
 研究チームは、野菜や果物ががんの発症リスクを下げる理由として、抗酸化作用のある成分が豊富に含まれていることを挙げています。この抗酸化作用によって、胃がんの原因であるピロリ菌などによる細胞のDNAへのダメージが抑えられます。
 下部胃がんの発症リスクを引き上げるのはピロリ菌の感染であり、野菜や果物を摂取することがピロリ菌による発がんに予防的に働いている可能性があるといいます。
 一方、女性では野菜や果物の摂取と下部胃がんとの関連性はみられませんでした。女性では野菜や果物の摂取量が男性に比べて多く、リスクになるほど不足している人が少なかったために、はっきりした関連がみられなかったと推察しています。
 日本は先進国の中でも、ピロリ菌の感染率が高く、50歳以上の7割が感染しているといわれています。

 2015年1月7日(水)

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