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■用語 尿管結石 [用語(に)]

[喫茶店]尿の通り道である尿管に結石ができた結果、いろいろな障害が発生する疾患
 尿管結石とは、尿の通り道である尿路の1つの尿管に結石ができた結果、いろいろな障害が発生する疾患。
 尿路に石ができる疾患をまとめて尿路結石といい、石がある尿路の部位により、腎(じん)結石、尿管結石、膀胱(ぼうこう)結石、尿道結石といい、腎結石と尿管結石の上部尿路結石に対して、膀胱より下位にある膀胱結石と尿道結石は下部尿路結石といわれます。
 尿路結石が増えている近年の日本では、約95パーセントは上部尿路結石で、下部尿路結石は約5パーセントのみで、しかも前立腺(ぜんりつせん)肥大症や尿道狭窄(きょうさく)などの尿の出にくくなる状態の時にのみできます。
 結石の大小は、小さい砂のようなものから、腎盂(じんう)全体を占める大きな石で、形からサンゴ状結石と呼ぶものまでいろいろあります。結石の数は、1個のことも多数のこともあります。
 これらの結石は、腎臓で尿の中の結晶成分を核にしてできます。約90パーセント以上はカルシウムを含むカルシウム結石で、シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはその複合結石が大多数を占め、そのほかに尿酸結石、リン酸マグネシウムアンモニウム結石、シスチン結石などがあります。
 結石ができる理由は、まだよくわかっていません。尿の停滞と細菌感染、手術時の縫合糸など尿路の異物、副甲状腺機能高進症、代謝異常などが、結石を作りやすい誘因になると考えられています。
 結石が腎臓の中にあるだけでは、基本的には無症状ですが、腎臓から尿管に下降して、腎盂尿管移行部、血管交差部、尿管膀胱移行部の3カ所にある生理的狭窄部といわれる狭い部位に詰まると、腎臓部の痛み、血尿、結石の排出など、いろいろな障害が出ます。
 腎臓部の痛みには、腎臓や尿管の強い痛みの疝痛(せんつう)と、腎臓部や腰部の鈍い痛みの鈍痛の2種類があります。
 疝痛というのは、結石が尿管の狭窄部に詰まって、尿が下に流れないで急に腎盂の内圧が高くなり、腎臓が大きく張るために痛みが起こるもの。時には、背中や肩、あるいは下腹部から外陰部へ痛みが走ります。また、尿管のけいれん性の収縮によっても、痛みが起こるといわれています。
 痛みがひどいと、安静にしても痛みは楽にならず、苦しくて一定の姿勢で寝ていられません。疝痛の発作時は、吐き気や嘔吐(おうと)、脈が速くなる頻脈、腹部膨満感なども起こります。
 疝痛が治まると、鈍痛が腎臓部に感じられます。大きな結石では、鈍痛のことが多く、X線(レントゲン)検査によって偶然発見されることもあります。
 血尿は、疝痛時にみられます。これは結石が尿管の粘膜を傷付けるためで、尿に目で見てわからない血が混じったり、目で見てわかる血が混じることも珍しくありません。結石の排出は、疝痛の後の排尿時にみられることがあります。
 また、結石が膀胱に近付くと、その刺激で尿が近い、排尿後すっきりしないといった膀胱炎のような症状が出ることもあります。
 尿とともに体外されるのは、小さい結石です。結石がある大きさになると、尿管に長い間とどまったままとなり、水腎症になります。また、細菌感染が起こった場合、急性腎盂腎炎になって高熱が出ます。
 このような時は、強い抗生物質を用いないと、進行して膿腎(のうじん)症になることもあるので、注意が必要です。速やかに泌尿器科の専門医を受診するようにします。
[喫茶店]尿管結石の検査と診断と治療
 泌尿器科の医師による診断では、尿検査で血尿があるかどうか、超音波(エコー)検査や腎膀胱部X線(レントゲン)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査などで結石の陰影があるかどうかを調べます。
 加えて、腹部の痛みなどの問診でほぼ尿管結石と確定できます。そのほか、造影剤によって結石の大きさや場所を調べる排泄(はいせつ)性尿路造影と呼ばれる検査もあります。
 泌尿器科の医師による治療法は、結石がどこにあり、どんな大きさで、その成分は何かによっては異なります。5ミリ以下の小さい結石では、多くのケースで自然排出が期待できますので、水分を多量に摂取したり補液を行って、尿管の蠕動(ぜんどう)運動を活発にさせることで、結石の下降を促します。
 6ミリから9ミリ程度の結石でも、水分を多量に摂取することでおよそ3カ月以内に排出される可能性があります。
 疝痛がある場合には、鎮痛薬としてインドメタシン座薬を使用したり、ペンタゾシンを注射したり、鎮けい薬を使用したりしながら、結石形成抑制薬などを投与します。
 また、尿酸結石やシスチン結石の場合には、尿をアルカリ性に変えるクエン酸カリウムか重炭酸ナトリウムを服用して、結石を溶かす治療を行います。これには数カ月、あるいはそれ以上を要します。
 自然排出が期待できない1センチ以上の尿管結石で、その結石が中部尿管よりも腎臓に近い位置にある場合には、体外衝撃波砕石術(ESWL)が治療の第1選択となります。衝撃波発生装置から出た衝撃波を皮膚を通して、結石に収束させて、破砕するものです。さまざまなタイプの優れた機種が広く普及して、ごく一般的に使用されています。
 自然排出が期待できない1センチ以上の尿管結石で、その結石が膀胱側に近い下部尿管にある場合には、経尿道的尿管砕石術(TUL)が治療の第1選択となります。尿道から尿管鏡という細い内視鏡を挿入して、尿管口から尿管内へ進め、結石を直視下に観察しながら破砕するものです。
 ESWL、TULを行った後は、尿流を保つ目的で、円周が6~7ミリの尿管ステントを留置します。かつて主に行われていた切開手術は、まれにしか行われなくなっています。
 一部の結石では、結石を作りやすい疾患が合併しているものもあり、元になる疾患の治療も行います。尿路感染症を伴っている場合には、原因となる菌を特定し、抗生物質(抗生剤、抗菌剤)の投与を行います。
 原因がはっきりしないため、予防には難しい面があります。ただし、尿管結石などの尿路結石で最も多い成分のシュウ酸カルシウムに関していえば、食物中のシュウ酸が体内に吸収されて、尿になる時にカルシウムと結合して結石になるため、予防にはシュウ酸の多く含まれた食物を控えるか、腸で吸収されて血液中に入る前に、腸内でカルシウムと結合させることです。
 それには、シュウ酸の多いコーヒー、紅茶にはカルシウムを含むミルクをたっぷり入れたり、結石を溶かす作用があるクエン酸を含む食べ物を取ることです。クエン酸を含む食べ物は、レモン、みかん、グレープフルーツ、いちご、パイナップル、キウイ、梅干し、酢などです。
 日本で尿路結石が増えてきた背景には、食生活が欧米型になったこともあると見なされるで、魚や野菜中心の日本型食生活を心掛けることも有効。逆に、ビールにもシュウ酸が多く含まれているので、注意が必要です。
 さらに、尿路結石では一般に、尿の濃縮と運動不足が結石の増大を促しますので、水分をよく摂取し、縄跳びやジョギングなど適度の運動を続けることが大切です。

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