SSブログ

■iPS細胞で人工神経を開発 大阪市大、マウスで成功 [健康ダイジェスト]

 けがなどで失った末梢神経に対して、従来は体のほかの部分から採取した正常な神経を移植する以外に治療の手立てがありませんでしたが、大阪市立大学の研究グループは18日、万能細胞のiPS細胞(人工多能性幹細胞)と人工神経を組み合わせて、失った末梢神経の再生に成功したと発表しました。
 これは、大阪市立大整形外科学の中村博亮教授らのグループがマウスの実験で成功したもの。
 けがなどで手足や指の末梢神経が失われると、これまでは体のほかの部分から正常な神経を採取して移植するしか方法がありませんでした。この方法だと、神経を採取した部分にしびれや知覚障害が起こるため、人工神経が開発されたものの、十分に再生できなかったり、材質の硬さから移植部分が制限されるなどの課題がありました。
 大阪市立大学の研究グループでは、iPS細胞から作った細胞をチューブ状の構造物である人工神経に組み合わせ、坐骨神経を損傷させたモデルマウスに移植。
 半年後と1年後に観察した結果、iPS細胞と人工神経を組み合わせたマウスは、人工神経だけを移植したマウスに比べて、運動機能や知覚面で、より回復していたことが確認できました。末梢神経も十分に再生し、iPS細胞の移植によって懸念される腫瘍もできていませんでした。
 研究グループでは、現在ビーグル犬など大型動物で基礎実験を進めており、5年以内に人での臨床試験を目指すとしています。
 なお、この研究成果は米医学雑誌「Cells Tissues Organs」電子版に近く掲載される予定。

 2015年3月21日(土)

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0