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■生肉や生レバーの提供、豚も禁止 E型肝炎の危険性で6月中旬から [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は27日、豚の生肉や生レバーの飲食店での提供を禁止することを決めました。生で食べると、E型肝炎ウイルスの感染や寄生虫による食中毒の危険性があるためです。
 3年前の2012年7月に牛の生レバーの飲食店での提供が禁止された後、豚の生レバーを提供する店が後を絶たず、厚労省は規制が必要と判断。食品衛生法の基準を改正し、6月中旬から実施します。
 豚肉や豚の内臓を生で出すことを禁止し、「中心部を63度で3分間以上加熱する」か「これと同等以上の殺菌効果がある方法での加熱殺菌をする」ことを義務化し、焼くことを前提に提供する場合でも、飲食店側は十分に加熱して食べるよう、客に伝えなければならなくなります。
 違反した場合は、懲役2年以下または罰金200万円以下を科すことができます。
 E型肝炎は、感染から発症までの潜伏期間は平均で約6週間。発熱や腹痛、嘔吐のほか、黄疸が出ることもあります。安静にしていれば多くは自然に回復するものの、重症化したり死亡することもあります。
 国立感染症研究所によると、2014年のE型肝炎の国内報告数は暫定値で146件を数え、過去最多になりました。2012年〜2014年の報告症例から感染源を調べると、「不明」を除いた151例のうち豚が3〜4割を占め、食材では最も多かったといいます。
 同研究所の感染症疫学センター第2室の砂川富正室長は、「E型肝炎ウイルスは比較的、熱にも耐性がある。新鮮かどうかは関係なく、豚の肉やレバーはよく火を通して食べる必要がある」と話しています。
 牛の生レバーが禁止された2012年7月には、禁止前の駆け込み需要で生レバーを食べた人が多かったことから、食中毒の患者数が急増しました。そのため、厚労省は、6月中旬の禁止を前に、「駆け込みで生の豚を食べるのはやめてほしい」と呼び掛けています。
 牛の生レバーの提供が禁止されて以降、その味を忘れられない人たちにも支持されてきた豚の生肉。提供する飲食店はメニューの変更を迫られ、利用する客からは「生のほうがおいしいのに」と惜しむ声が漏れました。
 東京都大田区のもつ料理店「最後の楽園レバーランド」は4年前に開店した当初から、豚のレバ刺しを看板メニューにしてきました。毎日30皿前後の注文が入る人気だという26日夜、カウンターでレバ刺しをつまんでいた会社員男性(48歳)は、好物だった牛の生レバーが禁止されたためこの店を探し当て、今は週に1〜3回は通っているといいます。「豚肉は生で食べるイメージがなかったが、試してみたらおいしかった。禁止されるなら仕方ないが残念だ」。
 ほかの会社員男性(40歳)は、「サバやカキなど他にもあたりやすい食材はあるのに、豚だけ画一的に禁止するのはどうなのか」と納得していませんでした。

 2015年5月29日(金)

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