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■厚労省、母乳ネット販売で注意を呼び掛け 乳幼児に感染リスク [健康ダイジェスト]

 厚生労働省は3日、インターネット上で母乳をうたった商品が販売されているとの情報があるとして、「衛生管理が不明な第三者の母乳を乳幼児に与えるのはリスクがある」との注意を呼び掛ける通知を、都道府県など全国の自治体に出しました。
 自治体が販売業者を把握した場合は、実態を確認し、食品衛生法に基づき必要な指導を行うよう求めています。
 厚労省は文書で、既往歴や搾乳方法、保管方法などの衛生管理状況が不明な第三者の母乳について、「病原体や医薬品などの化学物質が母乳に含まれていた場合、乳幼児がこれらにさらされるリスクがある」と指摘。母乳を通じて感染する可能性がある病原体の例として、エイズウイルス(HIV)や、白血病ウイルス(HTLV-1)を挙げています。
 その上で、妊産婦訪問、新生児訪問、乳幼児健康診査などを利用し、妊産婦や乳幼児の養育者に、ネット販売されている母乳のリスクを広く注意喚起するよう求めました。
 消費者庁も同日、「過去にネットで母乳と称した商品を販売していたとみられる情報を確認した」と注意を呼び掛けました。同庁は母乳が出ない母親に向け、「1人で悩まず、医師や保健師などに相談するように」としています。
 また、厚労省も母乳が出ずに悩む人に向け、「乳幼児の栄養摂取は母乳だけにこだわらず、必要に応じて粉ミルクを使うことが望ましい」としています。 
 ネット販売の母乳の危険性は、昨年7月に設立された国内唯一の「母乳バンク」を持つ昭和大江東豊洲病院(東京都江東区)の取り組みからうかがい知ることができます。
 母乳バンクは早産や病気などで母乳が出にくい母親に代わり、医療目的で別の女性の母乳を乳児に与える機能を持ちます。使われる母乳は徹底的に安全を追求したもので、提供する女性は血液検査を受け、感染症の有無、飲酒や喫煙の習慣のチェックを経て、ようやくドナーとして登録されます。
 ドナーが自宅で搾った母乳は、すぐ冷凍して母乳バンクに送付。細菌検査や母乳成分の基準をクリアすれば、さらに62・5度で30分間、低温殺菌処理されます。これで細菌がないことが確認されたものが、マイナス70度で冷凍保存されて出番を待ちます。しかし、冷凍保存期間は3カ月が限度。解凍した場合は一気に細菌が繁殖するため、24時間以内の利用が必要だといいます。
 母乳バンクの運営を主導する水野克己・小児内科教授は、「安全な母乳を全国に提供できるシステムを早期に整備し、ネット売買をなくしたい」と話しています。

 2015年7月7日(火)

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