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■妊娠中に母親が風疹、障害の乳児45人のうち7人死亡 国立感染症研究所が調査 [健康ダイジェスト]

 2013年までの2年間で、妊娠中に母親が風疹にかかったことが原因で障害を負った新生児45人のうち、少なくとも7人が死亡していたことが、国立感染症研究所などの調査でわかりました。
 専門家は、「ワクチン接種を徹底し、風疹をなくすことが重要だ」と指摘しています。
 妊娠初期の女性が風疹に感染すると、生まれてくる新生児の耳や目、心臓などに障害が出る先天性風疹症候群になる不安があり、2012年から2013年にかけて大人の間で風疹が流行した際には、45人の新生児が先天性風疹症候群になったと報告されています。
 今回、国立感染症研究所などの研究グループがこのうちの21人について、その後の経過を詳しく調査したところ、生後5カ月までに7人が、肺炎や呼吸不全、それに心筋炎などを起こして死亡していたことがわかりました。
 また、どんな障害があるかについて調べたところ、70パーセント以上の新生児で難聴や心臓の疾患があり、また、およそ20パーセントで白内障があったほか、肝機能や精神発達の障害などもあったということです。
 調査を行った国立感染症研究所感染症疫学センターの砂川富正室長は、「先天性風疹症候群は赤ちゃんに非常に重篤な症状をもたらすことがわかった。風疹の流行をなくすことが重要で、ワクチン接種の徹底が必要だ」と話しています。
 風疹は、5年から7年おきに流行を繰り返しています。感染を防ぐ唯一の方法は、ワクチンの接種です。今の子供たちは感染を確実に防ぐために、1歳と小学校入学前の2回、麻疹と風疹の混合ワクチン(MRワクチン)を無料で接種することができます。しかし、1995年3月までは、接種の対象は中学生の女子に限られていて回数も1回だけでした。
 女性でも免疫が落ちている人がいるほか、特に男性は風疹のワクチンを一度も接種する機会がなかったり、機会があっても接種していなかったりして、免疫がない人が多いのです。そんな中で、2012年から2013年にかけての大流行が起き、45人の新生児に障害が出ました。
 厚生労働省は、東京オリンピックが開かれる5年後までに風疹の流行をなくすことを目標に対策を進めるとしています。自治体の多くは今年度、妊娠を希望する女性などを対象に、風疹の免疫を調べる抗体検査やワクチンの接種費用を助成しています。
 しかし、助成の対象は一部の人に限られている上、検査や接種を受けるには、医療機関に出向かなければいけないため、免疫がない成人への対策は思うように進んでいません。
 ワクチンで防げる風疹で、これ以上苦しむ親子を増やさないために。実効性のある対策が国に求められるとともに、私たち大人ひとりひとりの行動が求められています。

 2015年8月7日(金)

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