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■中国、大気汚染で1日4000人、年間160万人死亡 米大学の研究チームが算出 [健康ダイジェスト]

 中国で深刻な大気汚染の影響によって1日に約4000人が死亡しているとの研究結果を、米カリフォルニア大バークリー校のチームがまとめました。中国で早死にする人の約6分の1を占めるとしています。
 研究結果は近く、米科学誌に掲載されます。AP通信が14日までに、伝えました。 
 カリフォルニア大バークリー校の研究チームが、中国当局が定めた新たな大気の監視基準に基づいて算出したところ、中国では年間約160万人が、大気汚染を原因とする心臓や肺の疾患、脳卒中で死亡しているといいます。
 世界保健機関(WHO)が2014年に発表した報告書では、世界中の大気汚染に関連する死者は年間約700万人。そのうち約23パーセントを中国が占めている計算になります。
 研究チームによると、13億人を超える中国の人口の38パーセントが、米環境保護局(EPA)の基準で「不健康」とされる大気レベルの地域に居住しています。状況が最も深刻なのは北京の南西部といい、頻繁に基準値を大幅に超える汚染が報告される河北省石家荘市などが該当するとみられます。
 発電や暖房のために燃やされる石炭から排出される有害物質が、健康被害の元凶とされています。EPAの2010年の統計では、米国でも年間6万3000~8万8000人が大気汚染による疾患で死亡しています。ただ中国の場合、石炭の使用量が増える冬に状況が最悪になっているのが特徴といいます。
 2013年には、北京のがん患者が10年間で60パーセント増加したとの統計も示されています。
 北京と河北省張家口市では、7年後の2022年に冬季五輪が開催されます。北京市は大気汚染の改善を国際オリンピック委員会(IOC)に約束し、石炭利用の削減やディーゼル車規制、汚染物質を排出する工場の閉鎖などの対策を強化する構え。
 しかし、同市は2008年夏季五輪を開催した際も大気汚染の改善を誓いながら、五輪後は状況がさらに悪化した「前科」があります。同夏季五輪では、男子マラソンの世界記録保持者(当時)、ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)が、大気汚染を理由にマラソン出場を回避しました。
 今回の研究結果が公表されたことで、北京冬季五輪でも、ノルディックスキー距離などの屋外で行われる持久系種目を中心に、大気汚染を懸念する声が高まりかねません。

 2015年8月15日(土)

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