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■がんの治療開始5年後の生存率、全国平均で64・3パーセント 国立がん研究センターが集計 [健康ダイジェスト]

 国立がん研究センターは9月14日、がん患者の命を治療によって、どのくらい救えたかを示す「5年相対生存率」について、全国40の都道府県別のデータを初めて発表しました。各都道府県ががん医療の弱点を分析し、生存率の向上に努めてほしいとしています。
 がんの「5年相対生存率」は、がん患者を治療によって、どのくらい救えたかを示すもので、特定の年齢の日本人が、5年後も生存している確率を100パーセントとした場合に、同じ年齢のがん患者が、治療後に何パーセント生存しているかという形で示します。
 今回のデータは、国立がん研究センターが、2007年に全国177のがん拠点病院で治療を受けた患者およそ16万8000人のデータをもとにまとめました。
 それによりますと、胃がんや肝がん、それに乳がんなどすべてのがんを合わせた「5年相対生存率」の全国平均は、64・3パーセントでした。また、都道府県別では、最も高かったのは東京都で74・4パーセント、次いで、長野県が70・5パーセント、新潟県が68・9パーセントでした。最も低かったのは沖縄県の55・2パーセントでした。
 がんの部位ごとに生存率の全国平均をみますと、乳がんが最も高く92・2パーセント、次いで大腸がんが72・1パーセント、胃がんが71・2パーセントと比較的高かったのに対して、肺がんが39・4パーセント、肝がんが35・9パーセントと厳しい状況が明らかになりました。
 これを都道府県別にみますと、乳がんでは長野県が最も高く96・1パーセント、青森県が最も低く81・1パーセント、大腸がんでは香川県が最も高く79・6パーセント、青森県が最も低く63パーセント、胃がんでは東京都が最も高く78・8パーセント、群馬県が最も低く60・9パーセント、肺がんでは長崎県が最も高く50・7パーセント、沖縄県が最も低く20パーセント、肝がんでは富山県が最も高く51・3パーセント、香川県が最も低く22・6パーセントで、いずれのがんでも、がんを早期発見できた患者の割合が高い都県で生存率が高くなる傾向がみられました。
 ただし、今回のデータは、治療から5年後の患者の状況が9割以上の割合で確認できた医療機関しか含まれていません。例えば東京では、17あった拠点病院のうち、3つの病院のデータしか反映されていません。このため都道府県別のがんの治療レベルをそのまま表すものではありませんが、がんの早期発見ができているのかなど、がん医療の弱点を分析するのに役立つということです。
 データをまとめた国立がん研究センターの西本寛がん統計研究部長は、「都道府県は結果を分析し、生存率の向上につながる対策を見付けて推進してほしい。また、今後は病院ごとの生存率を出せるようにしてがん医療の質の向上につなげたい」と話しています。

 2015年9月15日(火)

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