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■精子動かす酵素を特定、大阪大など 男性用避妊薬の開発へ可能性 [健康ダイジェスト]

 精子が十分に動くためのスイッチ役となる酵素を、大阪大や筑波大などのチームがマウスを使った研究で突き止めました。この酵素の働きを抑えると、不妊になることも確かめました。
 男性用の避妊薬の開発につながる可能性があるといいます。2日、アメリカの科学誌サイエンス電子版に発表されました。
 精子は尾を動かして卵子にたどり着き、受精しますが、どんな仕組みで尾が動き始めるかは不明でした。
 大阪大微生物病研究所の伊川正人教授(生殖生物学)らは、精巣にある「精子カルシニューリン」と呼ばれる脱リン酸化酵素が、尾を動かすスイッチになっていることを発見。
 雄マウスにカルシニューリン阻害剤を2週間投与して、この酵素の働きを抑えると、精子が尾を十分に曲げられなくなって動きが悪くなり、卵子を取り囲むゼリー状の透明帯を突き破れず受精できませんでした。投与を中止すると、1週間程度で精子の動きは元に戻り、受精して生まれた子供も正常でした。
 人間でも同様のスイッチの仕組みがあることから、男性用の避妊薬の開発や、不妊症の原因の解明につながる可能性があります。既存の酵素の働きを抑える薬は、体中の免疫に影響するので避妊薬には使えません。
 伊川教授は、「不妊症の原因究明に一歩近付いた。精子カルシニューリンを安全に阻害できれば、即効性のある経口避妊薬の開発につながる可能性がある」と話しています。
 カルシニューリンは全身の免疫細胞や精巣に存在し、人間へ応用するには精子カルシニューリンだけを阻害する方法を見付ける必要があります。男性用避妊薬などの開発には、早くても5~10年程度かかる見通し。 

 2015年10月4日(日)




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