■高齢者の体力や運動能力、向上傾向続く 青少年も向上、スポーツ庁 [健康ダイジェスト]
スポーツ庁は体育の日を前にした11日、2014年度体力・運動能力調査の結果を公表しました。
調査項目を点数化した合計点は、高齢者と青少年の多くの年代で向上傾向が続き、現行方式になった1998年度以降、75~79歳、16歳、13歳のいずれも、男女で過去最高でした。
スポーツ庁は、向上の背景に健康志向の高まりもあるとみています。高齢者については、運動習慣がある人ほど高評価で、「健康や日常生活の基本動作の維持に、運動の習慣は重要だ」としています。青少年については、「学習指導要領改定で体育の授業が増え、学校の取り組みの成果が出ている」と分析しました。
体力・運動能力調査は、東京オリンピックが開かれた1964年度から国が毎年行っており、2014年度は6歳から79歳までの6万5000人余りが対象となりました。
調査は握力やボール投げなどの種目で行われ、このうち小学生から高校生までの体力や運動能力は1985年ごろをピークに低迷していますが、ここ数年は緩やかな回復傾向にあります。
一方、65歳以上の高齢者は男女ともに、ほとんどの種目で記録が向上する傾向が続いています。
6分間にどれだけの距離を歩くことができるかをみる種目では、75歳から79歳の女性で534メートル18センチと、この種目の調査を始めた1998年より50メートル近く伸びました。片足で立っていられる時間は、65歳から69歳の男性で87秒82と、1998年の記録を18秒余り上回っています。
合計点は、65歳から69歳の男性、70歳から74歳の女性、それに75歳から79歳の男女で、これまでで最も高くなりました。
また、今回の調査では、「歩く」「服を着る」といった日常生活の動作の状態を尋ねる「日常生活活動テスト」(ADL)の結果と、日ごろの運動の頻度との関係を分析しました。
この中で、休まないでどれくらい歩けるか尋ねたところ、日ごろ、運動をしない高齢者は「20分から30分程度」と答えた割合が最も多かったのに対し、週に3日以上運動している人では「1時間以上歩ける」と答えた割合が男性で73・9パーセント、女性で60・5パーセントに上りました。
また、何にもつかまらないで立ったままズボンやスカートがはけるかどうか尋ねたところ、週に3日以上運動している人は男女ともに80パーセント余りが「できる」と答え、運動していない人より15ポイント前後高くなるなど、日ごろからよく運動をしている高齢者ほど、日常生活に必要な基本動作の機能も高いことがわかりました。
スポーツ庁によりますと、ADLは介護が必要かどうかの指標にも使われるということです。健康スポーツ課の井上仁課長は、「日ごろの運動が、介護を必要としない元気な生活につながることが改めてわかった。健康増進のためにも運動やスポーツの環境整備に取り組みたい」と話しています。
さらに、今回の調査では、肥満度を表す指標の体格指数「BMI」との関係で、実際の年齢よりも体力年齢が高い人の割合は、普通体重や肥満の人に比べて、低体重の人のほうが多いことがわかりました。
スポーツ庁は、「太っていると悪い、やせたほうがいいという風潮はあるが、やせすぎると、健康上も体力的にも問題」として、注意を呼び掛けています。
2015年10月13日(火)
調査項目を点数化した合計点は、高齢者と青少年の多くの年代で向上傾向が続き、現行方式になった1998年度以降、75~79歳、16歳、13歳のいずれも、男女で過去最高でした。
スポーツ庁は、向上の背景に健康志向の高まりもあるとみています。高齢者については、運動習慣がある人ほど高評価で、「健康や日常生活の基本動作の維持に、運動の習慣は重要だ」としています。青少年については、「学習指導要領改定で体育の授業が増え、学校の取り組みの成果が出ている」と分析しました。
体力・運動能力調査は、東京オリンピックが開かれた1964年度から国が毎年行っており、2014年度は6歳から79歳までの6万5000人余りが対象となりました。
調査は握力やボール投げなどの種目で行われ、このうち小学生から高校生までの体力や運動能力は1985年ごろをピークに低迷していますが、ここ数年は緩やかな回復傾向にあります。
一方、65歳以上の高齢者は男女ともに、ほとんどの種目で記録が向上する傾向が続いています。
6分間にどれだけの距離を歩くことができるかをみる種目では、75歳から79歳の女性で534メートル18センチと、この種目の調査を始めた1998年より50メートル近く伸びました。片足で立っていられる時間は、65歳から69歳の男性で87秒82と、1998年の記録を18秒余り上回っています。
合計点は、65歳から69歳の男性、70歳から74歳の女性、それに75歳から79歳の男女で、これまでで最も高くなりました。
また、今回の調査では、「歩く」「服を着る」といった日常生活の動作の状態を尋ねる「日常生活活動テスト」(ADL)の結果と、日ごろの運動の頻度との関係を分析しました。
この中で、休まないでどれくらい歩けるか尋ねたところ、日ごろ、運動をしない高齢者は「20分から30分程度」と答えた割合が最も多かったのに対し、週に3日以上運動している人では「1時間以上歩ける」と答えた割合が男性で73・9パーセント、女性で60・5パーセントに上りました。
また、何にもつかまらないで立ったままズボンやスカートがはけるかどうか尋ねたところ、週に3日以上運動している人は男女ともに80パーセント余りが「できる」と答え、運動していない人より15ポイント前後高くなるなど、日ごろからよく運動をしている高齢者ほど、日常生活に必要な基本動作の機能も高いことがわかりました。
スポーツ庁によりますと、ADLは介護が必要かどうかの指標にも使われるということです。健康スポーツ課の井上仁課長は、「日ごろの運動が、介護を必要としない元気な生活につながることが改めてわかった。健康増進のためにも運動やスポーツの環境整備に取り組みたい」と話しています。
さらに、今回の調査では、肥満度を表す指標の体格指数「BMI」との関係で、実際の年齢よりも体力年齢が高い人の割合は、普通体重や肥満の人に比べて、低体重の人のほうが多いことがわかりました。
スポーツ庁は、「太っていると悪い、やせたほうがいいという風潮はあるが、やせすぎると、健康上も体力的にも問題」として、注意を呼び掛けています。
2015年10月13日(火)
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