■用語 耳せつ [用語(さ行)]
外耳道の入り口に生えている毛穴から細菌が入って、炎症が起きる疾患
耳(じ)せつとは、外耳道(がいじどう)の外側3分の1に位置する軟骨部外耳道に起こる限局性外耳道炎が悪化し、膿瘍(のうよう)ができる疾患。急性化膿(かのう)性限局性外耳道炎、急性限局性外耳道炎とも呼ばれます。
外耳道炎は、耳の穴の入り口から鼓膜までの空洞である管腔(かんくう)、つまり外耳道の皮膚に、細菌が感染して炎症が起こる疾患であり、この外側3分の1に位置する軟骨部外耳道に起こる限局性外耳道炎と、内側の3分の2に位置する骨部外耳道に起こるびまん性(広汎〔こうはん〕性)外耳道炎とに分かれます。
耳せつに悪化する以前の限局性外耳道炎の症状は、耳がツンとしたり、かゆかったり、熱いような感じがします。耳鳴りを伴うこともあります。この時に耳に触るとチクッとした痛みを感じるのが特徴で、これが耳を触らなくても痛む中耳炎と異なる点です。
口を開けたり、食事をした時にも、痛むことがあります。炎症がひどいと、軽い難聴を伴うこともあるものの、一般的には聴力に影響するようなことはありません。
限局性外耳道炎の症状が進んで、毛穴から化膿菌が入って増殖し、毛を包んでいる毛包とその周囲に膿瘍ができる耳せつになると、耳に触らなくても痛むようになり、痛みも強くなってきます。時には痛くて夜眠れないということもあります。
炎症がピークを過ぎると膿瘍が破れて、膿(うみ)が出てしまい、痛みは自然に治まります。
鼓膜に近付くと毛は生えていないので、耳せつが外耳道全体に広がることは、ほとんどありません。鼓膜や中耳への影響も、ほとんどありません。
びまん性外耳道炎の場合も、かゆかったり、熱いような感じがするのが一般的な自覚症状です。慢性化すると、かゆみがひどくなり、時に耳が詰まる感じがする耳閉感が出てきます。病変が鼓膜方向に進展すると、鼓膜の炎症、肥厚を合併することがあります。
耳せつなどの外耳道炎の原因は、耳かきや不潔な指先で外耳道をいじって傷を付けたため、そこから細菌、主にブドウ球菌が入り、その細菌に感染して起こるのが一般的です。中耳炎などで耳垂れ(耳漏)があると、その細菌が外耳道に侵入し、感染して起こることもあります。
また、洗髪時や水泳時などに水が耳に入ったままになって、細菌感染を起こすこともあります。白髪染めや化粧品なども、要注意です。さらに、免疫が低下した糖尿病の人にも起こりやすく、複数の耳せつができて、何度も症状を繰り返し、治りにくいとされます。
耳せつを発症しても、炎症が軽度で元の外耳道が健康であれば、多くの場合は放置しても自然に治ります。1〜2日たっても症状が軽快しない場合は、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。
耳せつの検査と診断と治療
耳鼻咽喉科の医師による診断では、耳介の後ろ下や前方の下部がはれていて、触ると痛く、耳垂れに血や膿が混じっていても、ねばねばした粘液が混じっていないことなどから、判断します。
また、X線(レントゲン)検査で骨の部分に異常がなく、聴力検査で異常がないことも、判断の目安となります。細菌検査を行うと、ブドウ球菌が頻繁に認められます。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、まず耳垢(みみあか)を取り除きます。鼓膜内視鏡で耳の中を見ながら、耳垢鉗子(じこうかんし)や耳専用の器具で耳垢をつまんだり、細い吸引管で耳垢を吸い取ります。耳垢が硬くて取り除きにくい場合は、薬で耳垢を軟らかくしてから洗浄、吸引する方法を行います。
耳垢を取り除いた後は、外耳道の消毒を行って清潔にした上で、抗生剤やステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン剤)を含んだ軟こうの塗布、抗生剤の内服を行います。
耳の痛みがある場合には、鎮痛剤を内服して痛みを抑えます。耳のかゆみがある場合には、かゆみ止めを内服してかゆみを抑えます。
さらに、耳せつの自潰(じかい)、つまり、破れて膿が出るのを早めるために、温湿布、サリチル酸の塗布、また、綿花で作ったタンポン(ゴットスタイン・タンポン)で圧迫します。
耳せつが明らかに目立つ場合や、激痛を伴う場合は、耳せつをメスで切開することもあります。
耳(じ)せつとは、外耳道(がいじどう)の外側3分の1に位置する軟骨部外耳道に起こる限局性外耳道炎が悪化し、膿瘍(のうよう)ができる疾患。急性化膿(かのう)性限局性外耳道炎、急性限局性外耳道炎とも呼ばれます。
外耳道炎は、耳の穴の入り口から鼓膜までの空洞である管腔(かんくう)、つまり外耳道の皮膚に、細菌が感染して炎症が起こる疾患であり、この外側3分の1に位置する軟骨部外耳道に起こる限局性外耳道炎と、内側の3分の2に位置する骨部外耳道に起こるびまん性(広汎〔こうはん〕性)外耳道炎とに分かれます。
耳せつに悪化する以前の限局性外耳道炎の症状は、耳がツンとしたり、かゆかったり、熱いような感じがします。耳鳴りを伴うこともあります。この時に耳に触るとチクッとした痛みを感じるのが特徴で、これが耳を触らなくても痛む中耳炎と異なる点です。
口を開けたり、食事をした時にも、痛むことがあります。炎症がひどいと、軽い難聴を伴うこともあるものの、一般的には聴力に影響するようなことはありません。
限局性外耳道炎の症状が進んで、毛穴から化膿菌が入って増殖し、毛を包んでいる毛包とその周囲に膿瘍ができる耳せつになると、耳に触らなくても痛むようになり、痛みも強くなってきます。時には痛くて夜眠れないということもあります。
炎症がピークを過ぎると膿瘍が破れて、膿(うみ)が出てしまい、痛みは自然に治まります。
鼓膜に近付くと毛は生えていないので、耳せつが外耳道全体に広がることは、ほとんどありません。鼓膜や中耳への影響も、ほとんどありません。
びまん性外耳道炎の場合も、かゆかったり、熱いような感じがするのが一般的な自覚症状です。慢性化すると、かゆみがひどくなり、時に耳が詰まる感じがする耳閉感が出てきます。病変が鼓膜方向に進展すると、鼓膜の炎症、肥厚を合併することがあります。
耳せつなどの外耳道炎の原因は、耳かきや不潔な指先で外耳道をいじって傷を付けたため、そこから細菌、主にブドウ球菌が入り、その細菌に感染して起こるのが一般的です。中耳炎などで耳垂れ(耳漏)があると、その細菌が外耳道に侵入し、感染して起こることもあります。
また、洗髪時や水泳時などに水が耳に入ったままになって、細菌感染を起こすこともあります。白髪染めや化粧品なども、要注意です。さらに、免疫が低下した糖尿病の人にも起こりやすく、複数の耳せつができて、何度も症状を繰り返し、治りにくいとされます。
耳せつを発症しても、炎症が軽度で元の外耳道が健康であれば、多くの場合は放置しても自然に治ります。1〜2日たっても症状が軽快しない場合は、耳鼻咽喉(いんこう)科を受診することが勧められます。
耳せつの検査と診断と治療
耳鼻咽喉科の医師による診断では、耳介の後ろ下や前方の下部がはれていて、触ると痛く、耳垂れに血や膿が混じっていても、ねばねばした粘液が混じっていないことなどから、判断します。
また、X線(レントゲン)検査で骨の部分に異常がなく、聴力検査で異常がないことも、判断の目安となります。細菌検査を行うと、ブドウ球菌が頻繁に認められます。
耳鼻咽喉科の医師による治療では、まず耳垢(みみあか)を取り除きます。鼓膜内視鏡で耳の中を見ながら、耳垢鉗子(じこうかんし)や耳専用の器具で耳垢をつまんだり、細い吸引管で耳垢を吸い取ります。耳垢が硬くて取り除きにくい場合は、薬で耳垢を軟らかくしてから洗浄、吸引する方法を行います。
耳垢を取り除いた後は、外耳道の消毒を行って清潔にした上で、抗生剤やステロイド剤(副腎〔ふくじん〕皮質ホルモン剤)を含んだ軟こうの塗布、抗生剤の内服を行います。
耳の痛みがある場合には、鎮痛剤を内服して痛みを抑えます。耳のかゆみがある場合には、かゆみ止めを内服してかゆみを抑えます。
さらに、耳せつの自潰(じかい)、つまり、破れて膿が出るのを早めるために、温湿布、サリチル酸の塗布、また、綿花で作ったタンポン(ゴットスタイン・タンポン)で圧迫します。
耳せつが明らかに目立つ場合や、激痛を伴う場合は、耳せつをメスで切開することもあります。
タグ:ウェゲナー肉芽腫症 悪性外耳道炎 中耳炎 用語(さ行) 航空性中耳炎 耳石浮遊症 用語 急性化膿性限局性外耳道炎 耳せつ 用語(し) 健康創造塾 耳鳴り めまい 突発性難聴 耳詰まり 真珠腫性中耳炎 外耳道炎 メニエール病 聴神経腫瘍 慢性中耳炎 聾(ろう) 耳管狭窄症、滲出性中耳炎 感音難聴 老人性難聴 前庭神経炎 良性発作性めまい 心因性めまい 生理的老人性難聴 外傷性鼓膜裂傷 鼓膜炎 遅発性内リンパ水腫 薬剤性難聴 癒着性中耳炎 慢性化膿性中耳炎 外耳道閉鎖症 外耳道真珠腫 外耳道外骨腫 サーファーズイヤー 外耳道真菌症 好酸球性中耳炎 水疱性鼓膜炎 肉芽腫性鼓膜炎 好酸球性副鼻腔炎 反復性耳下腺炎 耳管開放症 滲出性中耳炎 騒音性難聴 流行性耳下腺炎(おたふく風邪) 耳硬化症 第8脳神経腫 前庭神経鞘腫 内耳炎 ハント症候群 耳垢栓塞 耳ヘルペス 耳性帯状疱疹 ラムゼー・ハント症候群 ムンプス難聴 職業性難聴 鼓膜裂傷 アルポート症候群
コメント 0