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■福島原発事故、元作業員が白血病 厚労省が初の労災認定 [健康ダイジェスト]

 東京電力福島第一原子力発電所の事故後の収束作業などに当たった当時30歳代で、現在41歳の男性作業員が白血病を発症したことについて、厚生労働省は被曝(ひばく)したことによる労災と認定し、20日、本人に通知しました。
 2011年3月11日の東日本大震災による地震動と津波の影響により発生した原発事故に関連して、がんの発症で労災が認められたのは、初めてです。男性には、医療費や休業補償が支払われます。
 労災が認められたのは、2011年11月から2013年12月までの間に1年半にわたって各地の原子力発電所で働き、福島第一原発の事故の収束作業などに当たった男性作業員です。
 厚労省によりますと、男性は福島第一原発を最後に作業員をやめた後、白血病を発症したため労災を申請したということです。
 白血病の労災の認定基準は、年間5ミリシーベルト以上被曝し、1年を超えてから発症した場合と定められており、厚労省の専門家による検討会で被曝との因果関係を分析してきました。その結果、男性はこれまでに合わせて19・8ミリシーベルト被曝し、特に福島第一原発での線量が15・7ミリシーベルトと最も高く、その作業が原因で発症した可能性が否定できないとして労災と認定し、本人に通知しました。
 厚労省によりますと、原発作業員のがんの発症ではこれまでに13件の労災が認められていますが、4年前の原発事故に関連して労災が認められたのは、これが初めてです。
 福島第一原発の事故後では、被曝による労災は今回の件以外に10件が申請されており、このうち7件では労災は認められませんでしたが、3件は原発事故との関連性を検証する調査が進められています。
 福島第一原発で事故からこれまでに働いていた作業員は、延べおよそ4万5000人。年間5ミリシーベルト以上の被曝をした人は2万1000人余りに上っており、今後、労災の申請が増える可能性もあります。
 今回の労災認定について、チェルノブイリ原発の事故の際、被曝の影響を調査した長崎大学の長瀧重信名誉教授は、「労災の認定基準は、労働者を保護するためにわずかでも被曝をすれば、それに応じてリスクが上がるという考え方に基づいて定められていて、今回のケースは年間5ミリシーベルト以上という基準に当てはまったので認定されたのだと思う」とし、「福島第一原発での被曝量は15・7ミリシーベルトとそれほど高くはないので、福島での被曝が白血病の発症につながった可能性はこれまでのデータからみると低いと考えられるが、今後も、作業員の被曝量については、十分注意していく必要がある」と話しています。

 2015年10月21日(水)




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