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■20人以上の子供からエンテロウイルスを検出 東京都内の小児専門病院 [健康ダイジェスト]

 今年の夏以降、せきなどの症状の後に原因不明の体のまひを訴える子供が相次いで報告され、一部から「エンテロウイルスD68」が検出されましたが、東京都内の小児専門病院には先月中旬からの1カ月間だけで子供150人がぜんそくに似た症状を訴えて入院し、このうち20人以上からエンテロウイルスD68が検出されていたことがわかりました。
 日本小児科学会は、体のまひが確認された場合には自治体に報告するよう全国の医療機関に求めています。
 エンテロウイルスD68は、昨年、アメリカで大きな流行を起こし、子供を中心に1000人以上が重い呼吸器の症状を示して、一部に体のまひが起きたことが報告されています。
 この夏以降、日本でもせきなどの症状の後に体のまひを訴える子供が21の都府県で47人いたことがわかり、このうち2人からエンテロウイルスD68が検出されたため、国立感染症研究所が各地の衛生研究所とともに、まひがウイルスによるものかなど詳しい調査をしています。
 これらの患者とは別に、東京都府中市の都立小児総合医療センターでは、先月中旬から今月初めにかけて150人ほどの子供がぜんそくに似た症状を訴えて入院し、これまでに20人以上からエンテロウイルスD68が検出されたということです。
 この中に体のまひを訴えた子供はいないということですが、数人が集中治療室での人工呼吸器による治療が必要になりました。
 日本小児科学会は夏以降、エンテロウイルスD68が国内で感染を広げていたとみて、全国の医療機関に体のまひが確認された場合には自治体に報告するよう呼び掛けています。
 専門家によりますと、エンテロウイルスは、通常、夏から秋にかけて流行するため、今後、患者が急増することは考えにくいということですが、来年以降の流行に備え、流行の実態だけでなく検査法や治療法についても検討していく必要があるとしています。
 子供の治療に当たった都立小児総合医療センター感染症科の堀越裕歩医長は、「呼吸器の症状を訴える子供は、例年であれば秋から冬にかけてが多く、おかしいなと感じた。子供たちの中には、数は少ないが集中治療室に入って人工呼吸器をつけなければならないケースもあった。パニックになる必要はないが、かかったことがない人は症状が重くなることもあるので、手洗いやせきエチケットなどの対策を徹底してほしい」と話していました。

 2015年10月30日(金)




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