■用語 ポイツ・イェガース症候群 [用語(は行)]
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ポイツ・イェガース症候群とは、消化管にポリープが多数できるとともに、消化管以外の全身の臓器にも異常を伴いやすい消化管ポリポーシスの一種。
10万人に1人が発症するとされる常染色体性優性遺伝性疾患であり、LKB1遺伝子と呼ばれている19番染色体において異常が認められています。
消化管に過誤腫(かごしゅ)性ポリープ、つまり過剰に発育した良性腫瘍(しゅよう)が多数できるとともに、皮膚粘膜に色素沈着を伴います。
ポリープは、食道を除く胃から大腸までの消化管全体に発生します。特に、小腸が好発部位で、しばしば上方の腸管が下方の腸管の中に入り込む腸重積(じゅうせき)を伴い、イレウス( 腸閉塞〔へいそく〕)症状や腹痛を起こします。血便、ポリープの肛門(こうもん)脱出を認めることがあります。
消化管のほか、膵(すい)臓、卵巣、子宮、肺など多臓器にわたってがんが高率に合併します。
色素沈着は、口唇や口腔(こうくう)粘膜、四肢末端部に、2~3ミリの小さな黒褐色の色素斑(はん)として認められます。口唇の色素斑は、縦方向に長い形状となります。手の色素斑は、指紋に一致した方向に長い形状となります。
これらの色素沈着は、ポリープの発生よりも早く、生後数カ月ころから幼児期までに出現し、思春期にかけて数を増すものの、その後は徐々に軽快することが多いといわれています。
血便、ポリープの肛門脱出などが現れた場合は、消化器科、消化器外科、外科、あるいは肛門科の医師を受診します。
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消化器科などの医師による診断では、口や手足の先の色素沈着で気が付くことがあります。このポイツ・イェガース症候群を疑い、胃や腸の内視鏡検査やX線検査、生検などを行うことで確定します。
消化器科などの医師による治療は、消化管の大きなポリープに対して、内視鏡下で切除する内視鏡的ポリペクトミー(内視鏡的ポリープ切除術)を行います。内視鏡を挿入した後、スネアとよばれる金属でできた輪でポリープの根元を引っ掛けて絞扼(こうやく)し、高周波電流を流して焼き切る方法(スネアリング)が一般的で、開腹など外科的手術に比べて患者の負担が少ないというメリットがあります。
小腸ポリープについては、従来は開腹下で切除していましたが、最近では小腸内視鏡で切除することが多くなっています。しかし、腸重積を伴う場合は、即時に手術を行います。
全身の臓器にわたってがんが高率に合併するため、定期的な検査を受ける必要もあります。
なお、口唇や皮膚の色素沈着が美容的な観点から問題になる時は、皮膚科あるいは形成外科で診療の上、レーザーで治療します。
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