■用語 低HDLコレステロール血症 [用語(た行)]
血液中の脂質成分であるHDLコレステロールが低い状態が継続する疾患
低HDLコレステロール血症とは、血液の中を流れる脂質成分であるHDL(高比重リポ蛋白〔たんぱく〕)コレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl未満と、低い状態が継続する疾患。脂質異常症の一つです。
血液の中には、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)のほか、リン脂質、遊離脂肪酸といった脂質成分が流れています。コレステロールは細胞膜やホルモンの材料となり、中性脂肪はエネルギーの貯蔵庫などとなり、体の機能を保持するために大切な働きを持っています。これらの脂質は肝臓で作られたり、食事から体に摂取され、血液中の脂質成分の量は保たれ調整されています。
このような調整機能が低下したり、食事からの摂取量が多量になっている状態が脂質異常症で、脂質異常症の一つである低HDLコレステロール血症では、動脈硬化を防ぐ働きを持つHDLコレステロール(善玉コレステロール)の低い状態が継続します。
低HDLコレステロール血症を引き起こす原因として、高糖質(炭水化物)食、多価不飽和脂肪酸食、喫煙、肥満、運動不足などの生活習慣が考えられています。糖尿病、肝臓疾患、腎臓(じんぞう)疾患や、遺伝的な要因が、原因となることもあります。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)は、血管や組織に蓄積した余剰なコレステロールを引き抜いて運び、肝臓に戻すというコレステロール逆転送系の中心的役割を担っています。
低HDLコレステロール血症により、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低い状態が継続すると、血液の清浄化機能が低下することにより、血液の中を流れる脂質成分であるLDL(低比重リポ蛋白)コレステロール(悪玉コレステロール)が増加し、LDLは血管壁に取り込まれて蓄積し、やがて動脈硬化を起こします。
動脈硬化が徐々に進行すると、心肺機能が低下することにより、心筋梗塞(こうそく)など生命にかかわる疾患へ進展することがあります。また、脳梗塞に進展することもあり、深刻な後遺症が残ることもあります。
低HDLコレステロール血症は多くの場合、初期の段階では体の自覚症状は全くないので、血液検査で初めてわかることがほとんどです。無症状であっても、動脈硬化を予防する正しい治療が必要なので、自己判断せずに医療機関に相談して下さい。内科、ないし内分泌・代謝科が、担当の診療科です。
低HDLコレステロール血症の検査と診断と治療
内科、内分泌・代謝科の医師による診断では、血液検査で血中のコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値を測定します。朝食前の空腹時に採血します。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値は、これらから計算することもできますが、直接、測定する方法もあります。
脂質異常症の診断基準では、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl以下を低HDLコレステロール血症とするほか、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dl以上を高LDLコレステロール血症、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が120〜139mg/dl以上を境界域高LDLコレステロール血症、中性脂肪(トリグリセライド)が150mg/dl以上を高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)とします。
内科、内分泌・代謝科の医師による治療では、食餌(しょくじ)療法と運動療法を行ないます。
食餌療法では、野菜や果物を豊富に摂取し、蛋白質は青魚や大豆製品などから摂取するといった低カロリー食や低脂肪食、低炭水化物食を中心とした食生活に切り替えます。症状が軽い場合は、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の数値を正常にすることができます。
運動療法では、積極的に運動を行ないます。適切な体重の維持につながるばかりか、適度な運動を行なうことで基礎代謝の向上効果が期待できます。
また、喫煙、ストレス、過労、睡眠不足など生活習慣全般を改善することでも、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少を抑えて症状の進行を止めることが可能になります。
半年ほど経過しても数値が改善されず、高LDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)を伴う場合は、薬物療法を併用します。
高LDLコレステロール血症が優位な場合は、スタチン薬、レジン薬、ニコチン酸誘導体を使用します。高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)が優位な場合は、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体を使用します。
一方、糖尿病に伴う低HDLコレステロール血症では、肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態であるインスリン抵抗性の是正や、必要に応じたインスリン投与で改善することもあります。
低HDLコレステロール血症とは、血液の中を流れる脂質成分であるHDL(高比重リポ蛋白〔たんぱく〕)コレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl未満と、低い状態が継続する疾患。脂質異常症の一つです。
血液の中には、コレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)のほか、リン脂質、遊離脂肪酸といった脂質成分が流れています。コレステロールは細胞膜やホルモンの材料となり、中性脂肪はエネルギーの貯蔵庫などとなり、体の機能を保持するために大切な働きを持っています。これらの脂質は肝臓で作られたり、食事から体に摂取され、血液中の脂質成分の量は保たれ調整されています。
このような調整機能が低下したり、食事からの摂取量が多量になっている状態が脂質異常症で、脂質異常症の一つである低HDLコレステロール血症では、動脈硬化を防ぐ働きを持つHDLコレステロール(善玉コレステロール)の低い状態が継続します。
低HDLコレステロール血症を引き起こす原因として、高糖質(炭水化物)食、多価不飽和脂肪酸食、喫煙、肥満、運動不足などの生活習慣が考えられています。糖尿病、肝臓疾患、腎臓(じんぞう)疾患や、遺伝的な要因が、原因となることもあります。
HDLコレステロール(善玉コレステロール)は、血管や組織に蓄積した余剰なコレステロールを引き抜いて運び、肝臓に戻すというコレステロール逆転送系の中心的役割を担っています。
低HDLコレステロール血症により、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の低い状態が継続すると、血液の清浄化機能が低下することにより、血液の中を流れる脂質成分であるLDL(低比重リポ蛋白)コレステロール(悪玉コレステロール)が増加し、LDLは血管壁に取り込まれて蓄積し、やがて動脈硬化を起こします。
動脈硬化が徐々に進行すると、心肺機能が低下することにより、心筋梗塞(こうそく)など生命にかかわる疾患へ進展することがあります。また、脳梗塞に進展することもあり、深刻な後遺症が残ることもあります。
低HDLコレステロール血症は多くの場合、初期の段階では体の自覚症状は全くないので、血液検査で初めてわかることがほとんどです。無症状であっても、動脈硬化を予防する正しい治療が必要なので、自己判断せずに医療機関に相談して下さい。内科、ないし内分泌・代謝科が、担当の診療科です。
低HDLコレステロール血症の検査と診断と治療
内科、内分泌・代謝科の医師による診断では、血液検査で血中のコレステロール、中性脂肪(トリグリセライド)、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の値を測定します。朝食前の空腹時に採血します。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)の値は、これらから計算することもできますが、直接、測定する方法もあります。
脂質異常症の診断基準では、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dl以下を低HDLコレステロール血症とするほか、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dl以上を高LDLコレステロール血症、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が120〜139mg/dl以上を境界域高LDLコレステロール血症、中性脂肪(トリグリセライド)が150mg/dl以上を高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)とします。
内科、内分泌・代謝科の医師による治療では、食餌(しょくじ)療法と運動療法を行ないます。
食餌療法では、野菜や果物を豊富に摂取し、蛋白質は青魚や大豆製品などから摂取するといった低カロリー食や低脂肪食、低炭水化物食を中心とした食生活に切り替えます。症状が軽い場合は、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の数値を正常にすることができます。
運動療法では、積極的に運動を行ないます。適切な体重の維持につながるばかりか、適度な運動を行なうことで基礎代謝の向上効果が期待できます。
また、喫煙、ストレス、過労、睡眠不足など生活習慣全般を改善することでも、HDLコレステロール(善玉コレステロール)の減少を抑えて症状の進行を止めることが可能になります。
半年ほど経過しても数値が改善されず、高LDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)を伴う場合は、薬物療法を併用します。
高LDLコレステロール血症が優位な場合は、スタチン薬、レジン薬、ニコチン酸誘導体を使用します。高トリグリセライド血症(高中性脂肪血症)が優位な場合は、フィブラート系薬剤、ニコチン酸誘導体を使用します。
一方、糖尿病に伴う低HDLコレステロール血症では、肝臓や筋肉、脂肪細胞などでインスリンが正常に働かなくなった状態であるインスリン抵抗性の是正や、必要に応じたインスリン投与で改善することもあります。
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