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■用語 下垂体性巨人症 [用語(か行)]

[ダイヤ]発育期に、下垂体から成長ホルモンが過剰分泌されて起こる疾患
 下垂体性巨人症とは、骨の末端部分の骨端線が閉鎖する前の発育期に、下垂体(脳下垂体)から成長ホルモンが過剰に分泌されるために起こる疾患。
 骨の末端部分の骨端線が閉鎖して骨の発育が止まった後、すなわち思春期が終了した後に、下垂体から成長ホルモンが過剰に分泌されると、末端肥大症(先端巨大症)が起こります。下垂体性巨人症、末端肥大症とも大部分は、下垂体に腫瘍(しゅよう)ができ、そこから成長ホルモンが過剰に分泌された場合に起こります。
 下垂体に成長ホルモンを作る腫瘍が生じる原因ははっきりわかってはいませんが、もともと成長ホルモンを作っている細胞が腫瘍化して、成長ホルモンを過剰に産生、分泌するようになるとの考えがあります。膵臓(すいぞう)や肺に、まれに発生する特定の腫瘍でもホルモンが産生され、下垂体を刺激して過剰な成長ホルモンが作られこともあります。
 下垂体性巨人症を発症すると、急に身長が伸び、同年齢の子供の平均身長に比べて格段に高くなります。小児では最初の急激な成長は異常にみえないことがありますが、やがて、極端な成長による異常がはっきりしてきます。例えば、10歳男子では150センチ以上、15歳男子では185センチ以上になったような場合には、注意を要します。
 治療をしないでいると、身長が2メートルを超えることもあります。身長ばかりでなく、手足も長くなります。
 腫瘍の増大により、周囲の視神経が圧迫されたり、性腺(せいせん)刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどほかのホルモンを分泌する下垂体の細胞が圧迫されたりすると、視野が障害されたり、思春期の遅れ、性器の発育障害、甲状腺機能低下がみられることがあります。
 成人してくると、いくぶん末端肥大症の特徴を伴ってきて、手足が大きくなり、特有な顔や体形を示すこともあります。
 発症する確率は、100万人当たり10人はいないといわれています。下垂体性巨人症自体は命にかかわる疾患ではないものの、治療をせずに放っておくと、普通の人に比べて寿命が10年前後短くなるともいわれています。
 ちなみに、身長が2メートルを超えたすべての人が、下垂体性巨人症というわけではありません。ほとんどが体質が関係して、身長が伸びた人です。
 極端に身長が伸びた場合は、念のため内科ないし内分泌科、内分泌内科の専門医を受診したほうがよいでしょう。
[ダイヤ]下垂体性巨人症の検査と診断と治療
 内科、内分泌科、内分泌内科の医師による診断は、症状、血中ホルモンの測定、および画像検査により行われます。
 検査では、まず血中の成長ホルモンを測ります。ブドウ糖液を飲んで、血中の成長ホルモンを測定する検査も行われます。血中の成長ホルモンは正常者ではブドウ糖により低下しますが、下垂体性巨人症では低下が認められません。また、血中の成長ホルモンは分泌が不規則なために、最近は、成長ホルモンにより作られるインスリン様成長因子(IGF―I)というホルモンの信頼性が高いといわれており、診断のために測定されています。
 画像検査として、下垂体の異常成長を調べるためにMRI検査やCT検査が行われます。
 内科、内分泌科、内分泌内科の医師による治療は、第一に手術が考慮されます。鼻腔(びくう)から下垂体と接している骨を削り、下垂体の腫瘍を摘出する方法が一般的に行われています。腫瘍が小さいと完治させることも可能ですが、大きい場合や周囲に広がっている場合は、完全に取り除くことは難しくなります。
 その場合は、放射線や薬による追加治療が行われます。コバルトやリニアックを照射する放射線治療では、効果が出るまでに数年かかり、ほかの下垂体ホルモンの分泌が低下することがあります。多くの場合、定位手術的照射という直接的照射治療が、治療効果を早く得るため、そして正常な下垂体組織を残すために行われています。
 薬による治療でも、時にはブロモクリプチンなどのドーパミン作用薬が有効で、錠剤を服用することで成長ホルモンの量を減らせます。最も有効なのは、成長ホルモンの産生と分泌を正常に遮断するソマトスタチン系のホルモンの皮下注射です。注射薬にはオクトレオチドや、持続型インスリンアナログもあり、1カ月に1回程度の投与ですみます。




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