■ブラジルから帰国した川崎市の10歳代男性、ジカ熱に感染 中南米で流行以降、国内初 [健康ダイジェスト]
厚生労働省によりますと、ブラジルから帰国し、発熱や発疹などの症状を訴えていた川崎市の10歳代の男性が、ジカ熱に感染していることが確認されました。中南米を中心に流行が始まった昨年以降、国内で患者が確認されたのは初めてで、厚労省は感染経路の特定を進めています。
ジカ熱は蚊が媒介する感染症で、発症すると発熱や頭痛、発疹などの症状が1週間程度続きます。
厚労省によりますと、25日、川崎市に住む10歳代の男性が発熱や発疹などの症状を訴えて、神奈川県内の医療機関を受診しました。容体は落ち着いており、自宅で療養しているということです。
男性は今月20日までブラジルに滞在していたということで、国立感染症研究所で男性の血液から検体を採取してウイルスの遺伝子を調べたところ、感染が確認されたということです。
日本国内では3年前に、当時ジカ熱が流行していたフランス領ポリネシアから帰国した27歳の男性が発症するなど、これまで渡航歴のある3人の男女の感染が確認されていますが、ブラジルなどの中南米で流行が始まった昨年以降、確認されたのは初めてです。
厚労省は、感染経路について調べるとともに、帰国後にどこに滞在したかについても聞き取りを行って、蚊が発生する可能性がある場所の調査や駆除を行うことにしています。
感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「国内で患者が見付かったとしても、今はウイルスを媒介する蚊が活動していないため、感染が広がるリスクは非常に低い。冷静に対応することが必要だと思う」と話しています。
ジカ熱は、ジカウイルスを持つ蚊に刺されることで発症する、ウイルス性の感染症です。感染すると、3日から12日間ほどの潜伏期間の後、発熱や頭痛、それに関節痛などの症状を引き起こします。
ワクチンや特効薬はなく、対症療法が中心となりますが、同じように蚊がウイルスを媒介するデング熱と比べると、比較的症状は軽く、多くの場合、1週間ほどで回復します。また、感染しても、実際に症状が出る人は4人に1人程度という報告もあります。
ウイルスを媒介するのは、主に熱帯や亜熱帯に生息するネッタイシマカや、日本にも生息するヒトスジシマカ。
昨年5月以降にブラジルで感染が確認されて以降、中南米を中心に24の国や地域に広がり、アメリカやヨーロッパでも流行地を訪れた人たちが帰国後にジカ熱を発症するケースが報告されています。また、ブラジルでは胎児や新生児の頭が小さくなり知的障害を伴うこともある小頭症が急増しており、妊娠中の感染とジカ熱との関連が疑われています。
一方で、ジカ熱は、患者の血液からウイルスを検出できる期間がわずか数日なことや、ほかの蚊を媒介とする感染症と症状が似通っていて、区別が難しいため、正確な患者数を把握するのは難しいのが実態です。
ジカ熱の感染が広がっていることを受けて、厚労省は今月、ジカ熱をデング熱や日本脳炎と同様に四類感染症に位置付け、全国の医療機関に対して、患者を診察した場合、保健所を通じて国に届け出るよう義務付けました。
同時に、空港の検疫所で中南米から帰国した人などを対象に、サーモグラフィと呼ばれる特殊な機器を使って体温を調べ、水際での対策を強化したほか、検査キットを全国の都道府県の衛生研究所に配布しています。
2016年2月25日(木)
ジカ熱は蚊が媒介する感染症で、発症すると発熱や頭痛、発疹などの症状が1週間程度続きます。
厚労省によりますと、25日、川崎市に住む10歳代の男性が発熱や発疹などの症状を訴えて、神奈川県内の医療機関を受診しました。容体は落ち着いており、自宅で療養しているということです。
男性は今月20日までブラジルに滞在していたということで、国立感染症研究所で男性の血液から検体を採取してウイルスの遺伝子を調べたところ、感染が確認されたということです。
日本国内では3年前に、当時ジカ熱が流行していたフランス領ポリネシアから帰国した27歳の男性が発症するなど、これまで渡航歴のある3人の男女の感染が確認されていますが、ブラジルなどの中南米で流行が始まった昨年以降、確認されたのは初めてです。
厚労省は、感染経路について調べるとともに、帰国後にどこに滞在したかについても聞き取りを行って、蚊が発生する可能性がある場所の調査や駆除を行うことにしています。
感染症の問題に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「国内で患者が見付かったとしても、今はウイルスを媒介する蚊が活動していないため、感染が広がるリスクは非常に低い。冷静に対応することが必要だと思う」と話しています。
ジカ熱は、ジカウイルスを持つ蚊に刺されることで発症する、ウイルス性の感染症です。感染すると、3日から12日間ほどの潜伏期間の後、発熱や頭痛、それに関節痛などの症状を引き起こします。
ワクチンや特効薬はなく、対症療法が中心となりますが、同じように蚊がウイルスを媒介するデング熱と比べると、比較的症状は軽く、多くの場合、1週間ほどで回復します。また、感染しても、実際に症状が出る人は4人に1人程度という報告もあります。
ウイルスを媒介するのは、主に熱帯や亜熱帯に生息するネッタイシマカや、日本にも生息するヒトスジシマカ。
昨年5月以降にブラジルで感染が確認されて以降、中南米を中心に24の国や地域に広がり、アメリカやヨーロッパでも流行地を訪れた人たちが帰国後にジカ熱を発症するケースが報告されています。また、ブラジルでは胎児や新生児の頭が小さくなり知的障害を伴うこともある小頭症が急増しており、妊娠中の感染とジカ熱との関連が疑われています。
一方で、ジカ熱は、患者の血液からウイルスを検出できる期間がわずか数日なことや、ほかの蚊を媒介とする感染症と症状が似通っていて、区別が難しいため、正確な患者数を把握するのは難しいのが実態です。
ジカ熱の感染が広がっていることを受けて、厚労省は今月、ジカ熱をデング熱や日本脳炎と同様に四類感染症に位置付け、全国の医療機関に対して、患者を診察した場合、保健所を通じて国に届け出るよう義務付けました。
同時に、空港の検疫所で中南米から帰国した人などを対象に、サーモグラフィと呼ばれる特殊な機器を使って体温を調べ、水際での対策を強化したほか、検査キットを全国の都道府県の衛生研究所に配布しています。
2016年2月25日(木)
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