SSブログ

■用語 小人症 [用語(か行)]

[ダイヤ]何らかの原因によって身長が著しく低くなる疾患
 小人(こびと、しょうじん)症とは、何らかの原因によって身長が著しく低くなる疾患。低身長症、侏儒(しゅじゅ)症とも呼ばれています。
 身長が著しく低くなる原因はいろいろあり、ホルモンの不足によって起こる場合や、ターナー症候群という性染色体の異常によって発生する疾患によって起こる場合、軟骨異栄養症という生まれ付き骨に異常があって低身長、短指症になる疾患によって起こる場合などがあります。
 ホルモンの不足によって起こる場合にも、成長ホルモンの不足によって起こる場合と、甲状腺(こうじょうせん)ホルモンの不足によって起こる場合とがあります。このうち、成長ホルモンの不足による場合を成長ホルモン分泌不全性低身長症、あるいは下垂体性小人症といい、最もよく知られています。
 成長ホルモンは主として、脳の中にある下垂体(脳下垂体)という器官から分泌され、骨の両端にある骨端線に作用して骨を成長させる働きを持っています。この成長ホルモンの分泌量が不足することにより、骨が成長できず、低身長になります。
 低身長は身長SDスコアがマイナス2SD以下という統計の基準で定義され、同性・同年齢の100人に2~3人が低身長という定義に当てはまりますが、この低身長の中で成長ホルモン分泌不全性低身長症は5パーセント以下です。
 小人症の原因はいろいろありますが、最も多いのは分娩(ぶんべん)時の異常です。骨盤位分娩(逆子)で、しかも仮死を伴って生まれた男児に多い傾向がみられます。ほかに、少し大きくなってから、脳に腫瘍(しゅよう)ができ、成長ホルモンの分泌が低下するために低身長になることもあります。非常にまれには、成長ホルモンや成長ホルモン放出因子の遺伝子の異常や、下垂体の発生に関係する遺伝子(転写因子)の異常によって、低身長になることもあります。
 生まれた時には、身長、体重とも健康な赤子と変わりがないのが普通です。しかし、3歳ごろになると、ほかの子供と比べて体が小さいことに家族が気付くようになります。知能の発育は、正常です。
 身体的特徴は、体全体の均整がよくとれていて、成人しても顔が丸くて子供っぽく、性器は幼児型のままのことが多いようです。声変わりもなく、陰毛やわき毛もないのが普通。これは性腺刺激ホルモンの分泌も同時に障害されることが多いためです。
 このほか、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンや副腎(ふくじん)皮質刺激ホルモンも低下していることがあります。
 現在、低身長でなくても、成長率の低下がみられる時、学校での背の順が前になってくるような時は、成長ホルモン分泌不全性低身長症以外のホルモンの疾患による小人症が隠れている時がありますので、内科、内分泌代謝内科、小児科の専門医を受診します。
[ダイヤ]小人症の検査と診断と治療
 医師による診断は、血液中の成長ホルモンの量や、ほかの下垂体ホルモンの量を測定し、総合的に診断します。病因を調べるために、下垂体とその周辺のMRI検査、CT検査を行うこともあります。小人症と鑑別すべきものに、思春期遅発症、甲状腺機能低下症による低身長などがあります。
 医師による治療は、ヒト成長ホルモンを注射することが最もよい方法です。このホルモンは、以前はヒト下垂体から抽出していたので、その生産量に限りがありました。現在では、遺伝子工学技術を応用して大量に産出されるようになり、十分な治療が行われています。
 本剤は注射液ですが、毎日少量ずつ投与するのが効果的で、自己注射が認められているため、小さい時は両親が、大きくなると本人が注射の打ち方を習い、毎日寝る前に皮下注射します。
 1年目は平均8センチぐらいの身長の伸びが認められますが、2年目、3年目と伸びは落ちていきます。すぐに正常身長になるというような治療ではありません。長期治療した例の最終身長の平均は、男性で160センチ、女性で148センチ前後とされています。




タグ:小人症 用語 用語(こ) 用語(か行) 健康創造塾 ソトス症候群 新生児仮死 神経管閉鎖障害 出べそ 臍ヘルニア ヌーナン症候群 血液型不適合妊娠 ターナー症候群 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症) クレチン症(先天性甲状腺機能低下症) クラインフェルター症候群 臍炎 アペール症候群 臍帯ヘルニア 臍肉芽腫 新生児メレナ 新生児テタニー 性染色体異常 巨人症 軟骨無形成症 シモンズ病 下垂体前葉機能低下症 下垂体性小人症 風疹(三日ばしか) 先天性風疹症候群 X染色体若年網膜分離症 新生児黄疸 パトー症候群 13トリソミー症候群 常染色体トリソミー XO症候群 XXX症候群 XYY症候群 性染色体トリソミー 性染色体モノソミー トリプルX症候群 5pモノソミー 猫鳴き症候群 4pモノソミー ウォルフ・ヒルシュホーン症候群 レジューン症候群 スーパー女性症候群 スーパー男性症候群 常染色体部分モノソミー 体質性黄疸 クリグラー・ナジャール症候群 新生児溶血性黄疸 先天性ビリルビン代謝異常症 母子血液型不適合妊娠 新生児呼吸窮迫症候群 胎便吸引症候群 新生児肺炎 小頭症 頭蓋骨縫合早期癒合症 狭頭症 大頭症 脳性巨人症 下垂体性巨人症 二分脊椎 水頭症 無脳症 特発性正常圧水頭症 正常圧水頭症 脊椎披裂 後天性水頭症 先天性水頭症 脳水腫 尖頭合指症候群 ジカ熱 脳瘤 潜在性二分頭蓋 二分頭蓋 キアリ奇形 アーノルド・キアリ奇形 巨頭症
nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 10

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0