SSブログ

■ジカ熱ワクチン、アメリカの研究機関が臨床試験へ [健康ダイジェスト]

 ブラジルなど中南米を中心に感染が拡大しているジカ熱について、アメリカの疾病対策センター(CDC)は11日、渡航に関する新たな指針を発表し、妊娠している女性について、感染が広がる37の国や地域の中でも、特にジカ熱を媒介する蚊が生息する海抜2000メートル以下の地域への渡航は取りやめるべきだと呼び掛けています。
 CDCは一方で、海抜2000メートルより高い地域は、ジカ熱を媒介する蚊が生息できないとされているため、感染するリスクが非常に低いとしています。
 新たな指針では、国土のほぼ全域が海抜2000メートル以下のブラジルなどについて、妊娠している女性の場合、実質的にはどのような理由があっても渡航を取りやめるべきだと呼び掛けていることになります。
 これに対して、海抜2000メートルよりも高いところにあるメキシコの首都メキシコシティーや、コロンビアの首都ボゴタなどへの渡航については、これまでの指針よりも緩和されたことになります。
 CDCは、例えば海抜が2000メートルより高い地域でも、それよりも低い地域を経由して行った場合は感染のリスクがあるとしていて、引き続き注意を呼び掛けています。
 また、アメリカの国立衛生研究所(NIH)は10日、開発中のジカ熱のワクチンを人に投与する臨床試験を、今年の秋までに始める方針を明らかにしました。
 中南米を中心に感染が広がっているジカ熱を巡っては、妊娠中の感染と頭部が先天的に小さい小頭症の子供が生まれることとの関連性が指摘されていますが、今のところ、有効なワクチンや治療薬が開発されておらず、世界各地の製薬会社や研究機関が、研究を続けています。
 このうち、アメリカのNIHの研究機関の1つ、アレルギー感染症研究所のファウチ所長は10日に電話会見を開き、今年秋までに開発中の複数のワクチンについて、人に投与して安全性などを確かめる小規模な臨床試験を始める方針を明らかにしました。
 臨床試験に使うのは、ジカウイルスの遺伝子の一部を使って免疫力を引き出すタイプのワクチンで、毒性のある蛋白質を作らない特長があります。同研究所が開発を進めており、ジカ熱と近い種類の西ナイル熱のウイルスで実績があるとしています。
 小規模な臨床試験は4カ月ほどで終わり、問題がなければ、次の段階の大規模な臨床試験に移る見込みだということで、ファウチ所長は「来年中にはワクチンの効果や安全性を確かめられるはずだ」と話しています。
 ジカ熱のワクチンや治療薬の開発が急がれる中、アメリカでは政府が議会に対して、日本円で2000億円規模の緊急の対策費を要請しており、新しい診断技術や、ワクチンの研究開発を後押ししようとしています。

 2016年3月14日(月)




nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0