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■WHO、リオ五輪の開催を容認 ジカ熱で研究者が延期か移転要請にからみ [健康ダイジェスト]

 南米でのジカ熱(ジカウイルス感染症)の流行に絡んで、世界保健機関(WHO)は28日までに、ブラジル・リオデジャネイロで今夏に開催予定の五輪について「現時点での評価によると、中止や開催地の変更は、ジカ熱の国際的流行にほとんど変化を与えない」とする声明を出しました。
 理由として、感染の広がる国々や地域への渡航が、さまざま理由で続いていることを挙げました。WHOが事実上、リオ五輪開催容認の姿勢を鮮明にしたことになります。
 ブラジル保健省も28日、ジカ熱のために今夏開催予定のリオ五輪の延期や開催地を変更する計画はないと発表しました。
 WHOはブラジルで冬に当たる8月にジカウイルスに感染するリスクは最小になるとしており、ブラジル保健省は今後もWHOの指導に従っていくと述べました。
 27日には、リオ五輪の延期か開催地変更を求めて世界各国の専門家150人が署名したWHO宛ての書簡が公開されていました。
 書簡では、医師や科学者、研究者など世界各国150人の専門家がWHOによる評価を否定し、ブラジルで2番目にジカ熱感染者数が多いリオデジャネイロでの五輪開催は「無責任で非倫理的」だと述べていました。アメリカ、イギリス、カナダ、ノルウェー、フィリピン、日本、ブラジル、南アフリカ、トルコ、レバノンなどの専門家が署名した書簡は、「ブラジルで流行しているジカウイルスは、科学史上前例のないほど人間の健康に害を及ぼすものだ」と警告。
 さらに、「私たちが懸念を強めているのは世界的な健康問題のためだ」として、「世界中から五輪に来た50万人の観光客がジカウイルスに感染した恐れがある状態で帰国し、各地でジカ熱をまん延させるかもしれないという無用なリスクをもたらし」、「このような事態が今のところジカ熱が発生していない貧困国で起きれば大きな苦しみが生じる恐れがある」と主張していました。
 ジカウイルスに感染すると、胎児の脳や頭部が異常に小さい状態で生まれる小頭症の原因となります。ブラジルでは昨年5月以降、ジカ熱の感染が流行し始めてから現在までに、治療不可能な小頭症の新生児約1300人が生まれています。
 WHOは28日の声明の中で、ブラジルへの渡航予定者に蚊に刺されないよう注意を呼び掛けているほか、妊婦がジカ熱の流行地への渡航を控えることや、流行地から戻った男性は最低4週間、女性との性行為を控えたり、コンドームを使用したりすることなどを改めて勧告しました。

 2016年5月29日(日)

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