SSブログ

■発毛を促す細胞を頭皮に移植 東京医大が毛髪再生で臨床研究 [健康ダイジェスト]

 若いうちから髪の毛の生え際が後退したり頭頂部の毛が薄くなる「壮年性脱毛症」は、日本人の男性の3割が悩むともいわれますが、発毛を促す細胞を頭皮に移植することで髪の毛を再生しようという初の臨床研究を、東京医科大学などの研究チームが今月スタートさせました。脱毛に悩む人の根本的な治療法となるのか注目されます。
 脱毛症の中でも頻度の高い壮年性脱毛症は、男性ホルモンが発毛を抑えることなどが原因で、20歳代の若いうちから髪の毛が薄くなったり短くなったりします。日本人の男性のおよそ3割に当たる2400万人で発症するといわれ、女性で悩む人も少なくありません。
 東京医科大学病院と大手化粧品メーカー資生堂の研究チームは、こうした人の髪の毛の再生を目指す臨床研究を今月から始めました。
 臨床研究では、まず頭の後ろの部分から10本程度の髪の毛が含まれる数ミリの頭皮を切り取り、この中に含まれる「毛球部毛根鞘細胞」と呼ばれる細胞を取り出します。この細胞を3カ月ほどかけて100万個にまで増やした後、髪の毛が薄くなった頭皮の部分に注射器で移植します。
 毛球部毛根鞘細胞は、脱毛の原因となる男性ホルモンの影響を受けにくい特徴を持っているほか、移植した細胞が発毛を促進し、薄く細く短くなって頭皮の下に隠れてしまった髪の毛を再び太く長い髪の毛にすることが期待されるということです。
 研究チームでは、男女合わせておよそ60人にこの治療を行う予定で、発毛を促す細胞を頭皮に移植して髪の毛を再生する臨床研究が行われるのは国内では初めてです。3年間で有効性や安全性を確かめるといいます。
 研究に参加した50歳代の女性は、「頭のてっぺんの毛が薄くなり、細くなったのが気になっていました。自分の細胞を使うため拒絶反応の心配も少ないということなので期待しています」と話していました。
 研究を行う東京医科大学の坪井良治・主任教授は、「育毛剤などは使用し続けないと効果が続かないが、この方法は一度の治療で数年以上、効果が持続する可能性があるのが大きなメリットだ。今後5、6年の間に実用化を目指したい」と話しています。
 毛髪の再生に詳しい大阪大学大学院の板見智皮膚・毛髪再生医学寄附講座教授は、「壮年性脱毛症は髪の毛が全くなくなる病気ではなく、毛が細く、十分に伸びなくなり皮膚の表面にまで出てこなくなるものだ。細胞を使った新たな治療で十分に伸びる髪の毛になれば発症する前の状態に回復させられる可能性があり、現状の薬物療法あるいは植毛などの手術療法で十分に満足度が上がっていない人にとって朗報となることが期待される」と話しています。

 2016年7月26日(火)

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0