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■慢性期の脊髄損傷、細胞移植とリハビリで相乗効果 慶大がマウスで実験 [健康ダイジェスト]

 交通事故などで脊髄損傷になった患者は半年以上たつと、将来、体のさまざまな組織になるiPS細胞(人工多能性幹細胞)などを使った神経の細胞の移植が可能になっても、運動機能を回復させることは難しいと考えられていますが、慶応大学などの研究チームは、細胞の移植と歩行訓練を組み合わせれば、運動機能を回復できる可能性があることをマウスを使った実験で明らかにしました。
 この研究を行ったのは、慶応大学の中村雅也教授らのチームです。チームでは、脊髄を損傷して6週間以上が経過したマウスに、リハビリとしてまず1週間の歩行訓練をした上で、神経を新たに作り出す神経幹細胞などを移植し、再び8週間、歩行訓練のリハビリを行いました。
 その結果、治療前は足を引きずりうまく歩けなかったマウスがしっかりと歩き、歩行のスピードも1・5倍になったということで、細胞移植だけやリハビリだけのマウスに比べて、相乗効果で回復度合いが高くなりました。
 研究チームでは、交通事故などで脊髄損傷になった患者にiPS細胞を使って神経を再生するための研究を進めていますが、国内に20万人以上いるといわれる半年以上がたった慢性期の患者は症状が固定してしまい、運動機能の回復は難しいと考えられてきました。
 中村教授は、「iPS細胞を使った移植とリハビリを組み合わせれば、慢性期の患者でも回復できる可能性のあることがわかった。治療法の開発に向けた大きな一歩だ」と話しています。
 研究チームでは、2017年度にも、脊髄を損傷して2~4週の患者に、iPS細胞から作った神経幹細胞を移植する臨床研究を始める方針。2019年をめどに、慢性期の患者に対して、神経幹細胞の移植と体の動きを助ける装着型ロボットを使うリハビリを組み合わせた臨床研究を試みる計画も検討しています。
 今回の研究成果は3日、イギリスの科学誌電子版に発表されました。

 2016年8月4日(木)




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