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■日本脳炎の予防接種、生後6カ月からへの前倒しを推奨 日本小児科学会 [健康ダイジェスト]

 ウイルスを持つ蚊に刺されて感染する日本脳炎の予防接種について、日本小児科学会は、近年患者が報告されるなど感染のリスクが高い地域では、通常3歳で受ける最初の接種を前倒しするよう呼び掛けています。3歳未満の子供が発症した例があることを受けました。
 日本脳炎は、ウイルスを持つ豚の血を吸ったコガタアカイエカなどを介して感染します。感染しても発症するのは100~1000人に1人とされますが、発症すると20パーセントから40パーセントの人が亡くなり、けいれんや意識障害などの後遺症が残ることもあります。
 1966年の2017人の患者報告をピークに減少し、ワクチンの普及もあって1992年以降は年10人以下で推移しています。法律では生後6カ月から接種できるものの、国は標準的なスケジュールを3歳からとしています。
 ただし、2011年には沖縄県で1歳児、2015年には千葉県で0歳児が、日本脳炎に感染しました。
 小児科学会は今年2月、近年患者が報告された地域や豚のウイルス感染率が高い地域では、生後6カ月から接種を受けるよう推奨する見解をまとめました。豚のウイルス感染率については、国立感染症研究所が全国調査を行っており、昨年は千葉県、茨城県、山梨県、静岡県、三重県、福岡県、佐賀県などが80パーセント以上と高く、人への感染リスクも高いとされます。
 小児科学会の見解をを受けて、千葉県は4月、県内の市町村に対し早期接種の検討を呼び掛けました。養豚業が盛んな旭市では地元の小児科医と連携し、乳幼児健診の際に勧めています。佐藤好範・千葉県小児科医会長は。「患者が1人出れば、その周辺に多くの感染者がいると考えられる。ワクチンで防げるものは防ぐべきだ」と話しています。
 静岡県小児科医会も、早期接種を呼び掛けていくことを決定。ホームページなどで周知を始めた病院もある一方、早期接種の呼び掛けは事業主体の市区町村によって、温度差があります。
 予防接種に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「標準的な接種年齢を3歳とした明確な根拠は示されていない。3歳以下でのデータは少ないものの、副反応が増加するなどの影響は考えにくい」と話しています。
 厚生労働省は、「各自治体が判断すること。今のところ、全国的に接種の前倒しを議論することは検討していない」としています。

 2016年8月14日(日)
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