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■新たな不妊治療法で2人が妊娠に成功 ミトコンドリアを卵子に自家移植 [健康ダイジェスト]

 不妊に悩む女性を対象に、体外受精の際、本人の細胞の一部を卵子に自家移植する新しい方法を使って国内で2人が妊娠したと、大阪市にある不妊治療専門のクリニックが発表しました。
 これは、大阪市北区にある不妊治療専門の「HORACグランフロント大阪クリニック」などでつくるグループが発表したものです。
 新しい方法はアメリカの企業が開発したもので、加齢などで老化した卵子に体外受精を行う際、本人の卵巣の細胞から取り出したミトコンドリアというエネルギーを作り出すごく小さな器官を移植することで卵子の質が改善し、妊娠しやすくなるとされるものです。
 このグループでは、20歳代から40歳代の女性25人を対象に臨床研究を始めており、うち6人でミトコンドリアを自家移植した受精卵を子宮に戻した結果、27歳と33歳の女性2人が妊娠に成功したということです。ミトコンドリアの自家移植が妊娠につながったかは不明といいます。患者は費用として250万円を負担します。
 日本産科婦人科学会は昨年12月、この新しい技術について他人のミトコンドリアではないため問題は少ないとしつつ、「科学的な効果は十分に検証されておらず、初期の研究や実験段階の治療法だと考えられる」とする見解を示した上で、臨床研究の実施を承認しています。
 HORACグランフロント大阪クリニックの森本義晴院長は、「この治療法がうまくいけば、卵子の状態が悪く、妊娠を望めなかった女性にとって希望になると思う。今後、日本中でこのサービスを使えるようにしたい」と話しています。
 生殖補助医療に詳しい石井哲也・北海道大教授(生命倫理)は、「ミトコンドリアには独自のゲノムがあり、生殖細胞への遺伝的な介入となることも考慮し、基礎研究で効果を確かめる必要がある。証拠がない医療を人体でやるのは問題だ。なし崩し的に実施されれば大きな社会問題に発展し得る」と指摘しています。
 開発したアメリカの企業によると、海外ではカナダなど3カ国で270例以上実施され、約30の出産例があるといいます。

 2016年8月30日(火)

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