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■iPS細胞の他家移植、サルで拒絶反応なく成功 理研の研究チーム [健康ダイジェスト]

 拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って重い目の病気の患者を治療する他家移植という世界初の臨床研究を計画している、神戸市の理化学研究所の研究チームが、猿のiPS細胞から作った目の組織を、別の猿に拒絶反応なく移植することに成功し、人での安全性を裏付ける成果として注目されています。
 研究を行ったのは、理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーなどの研究チームです。
 研究チームでは、多くの猿と免疫の型が一致する特殊な猿を見付け出し、その猿のiPS細胞を使って網膜の組織である網膜色素上皮細胞を作り出しました。
 そして、別の猿2頭の目に移植し、免疫抑制剤を使わないまま経過を観察した結果、6カ月たっても拒絶反応は起きず、正常な目に近い状態を保ったということです。一方で、免疫の型が一致しない組織を移植した別の猿5頭は、数カ月以内に拒絶反応が起き、網膜剥離などの症状が出たということです。
 拒絶反応が起きにくい特殊な免疫の型のiPS細胞は、人でも京都大学iPS細胞研究所が保管しており、研究チームではこのiPS細胞を使って重い目の病気「加齢黄斑変性」の患者を治療する他家移植という世界初の臨床研究を計画しています。
 他家移植は、患者自身のiPS細胞を使うより時間や費用がかからないため、再生医療の普及につながると期待されており、研究チームでは、今回の成果は人でも拒絶反応がなく安全に移植が行えることを裏付けるデータだとしています。
 また、免疫抑制剤は感染症やがんなどのリスクがあり、使わずにすめば患者の利点になります。研究チームは加齢黄斑変性の患者の免疫の型を調べる作業を進めており、杉田直(すなお)・副プロジェクトリーダーは「実際の患者でも型が合えば免疫抑制剤を使わなくても、うまくいくのではないか」と話しています。
 研究成果は15日付で、アメリカの科学誌「ステム・セル・リポーツ」オンライン版に掲載されました。

 2016年9月17日(土)

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