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■ぜんそくを起こすタンパク質を特定し、症状抑制に成功 千葉大の研究チーム [健康ダイジェスト]

 ぜんそくなど難治性アレルギー疾患の発症の鍵となるタンパク質を特定し、マウスを使ってアレルギー症状を起こさないことに成功したと、千葉大学の研究チームが発表しました。ぜんそくや膠原(こうげん)病などの発症や重症化を抑える治療薬の開発につなげたいとしています。
 論文は16日付で、アメリカの学術誌「サイエンス・イムノロジー」電子版に掲載されました。
 ぜんそくなどのアレルギー疾患は、アレルギーの原因となる物質に反応した病原性の免疫細胞が血管から外に出て、肺や気管などの組織に到達することで発症します。
 千葉大学の研究チームは、病原性の免疫細胞が血管から外に出るのを手伝う「ミル9分子」と呼ばれるタンパク質を発見。このタンパク質は炎症に伴って血小板から放出され、血管の内側に集まって付着して網のような構造になり、そこを足場に病原性の免疫細胞が血管から外に出ていることがわかったといいます。
 さらに、この「ミル9分子」と病原性の免疫細胞がくっ付くことを防ぐ抗体をつくり、ぜんそくのマウスに投与したところ、免疫細胞が血管の外に出なくなり、ぜんそくの症状を起こさなくなったことが確認されたということです。
 大手製薬会社との共同研究で、人に使える抗体も作製していて、実用化を目指して研究を進めています。
 現在、重度のぜんそくの治療は、免疫細胞の働きを弱めるステロイド注射など対症療法が主流ですが、患者の免疫力が低下する恐れがあり、効果がない例も近年、多く報告されています。今回の抗体はステロイドに比べ、正常な免疫細胞に与える影響が少なく、重症患者にとって有効な治療法になり得るといいます。
 研究代表者の中山俊憲・千葉大教授(免疫発生学)は、「慢性で有効な治療法がない人に今回の物質が使える可能性が大きく、10年以内に新たなぜんそく治療法の確立を目指す。ぜんそくだけでなく、リウマチや膠原病などにも使える可能性が十分あると考えている」と話しています。

 2016年9月17日(土)

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