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■尿酸値、小腸の働きが弱いと高めに 防衛医科大などが研究 [健康ダイジェスト]

 痛風との関係が深い尿酸値は、小腸の働きが弱いと高くなるという研究成果を、防衛医科大、済生会横浜市東部病院などの研究チームがまとめました。尿酸値を測ることで、消化器の病気を見付けられる可能性もあるとしています。
 研究成果は8月30日付けで、イギリスの科学誌に掲載されました。
 防衛医科大の松尾洋孝講師(分子生体制御学)によると、小腸は腎臓と同じように尿酸を体外に排出する働きもあることは知られていましたが、具体的な尿酸値への影響は明らかになっていませんでした。
 研究チームは、尿酸を体外に運ぶタンパク質をつくる働きがある遺伝子「ABCG2」に着目。この遺伝子のわずかな違いによって、小腸から尿酸を排出する程度が異なります。
 腎臓からの排出の影響を除くため、血液透析を受けている慢性腎不全患者106人について、遺伝子の違いで小腸の働きを評価し、3グループに分けて尿酸値を比較。小腸の働きが正常な患者に比べ、やや弱い患者は血液100ミリリットル当たりの平均尿酸値が0・8ミリグラム、弱い患者では1・3ミリグラム高いという結果が出ました。尿酸値は7・0ミリグラムを超えると、高尿酸血症と診断されます。
 また、急性腸炎の子供67人で、小腸に炎症が起きている時の血液100ミリリットル中の尿酸値を調べたところ、平均8・8ミリグラムと高かったものの、回復後の平均尿酸値はほぼ半減しました。小腸の炎症で尿酸値が高まることもわかったといいます。
 松尾講師は、「簡便に測ることができる尿酸値で、痛風だけでなく、急性腸炎など消化器疾患の兆候を見付けられる可能性もある」と話しています。
 痛風は、血液中の尿酸量が高い値を示す高尿酸血症が原因となって、関節が痛む発作症状。痛みの発作は、血液中に増えて溶け込めなくなった尿酸が尿酸塩結晶となって関節にたまり、この結晶を異物と判断した白血球が攻撃して起こるといわれています。

 2016年10月7日(金)

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