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■用語 無汗症 [用語(む)]

[ふらふら]全身の皮膚、あるいは体の一部の皮膚に発汗がみられない状態
 無汗症とは、皮膚からの発汗がみられない状態。
 先天性無汗症と後天性無汗症とに大別されます。また、汗の出ない部位が全身の皮膚にわたる全身性無汗症と、体の一部の皮膚に限られる限局性無汗症とがあります。
 全身の皮膚には、エクリン汗腺(かんせん)が分布して汗を分泌しており、汗には体温を下げる作用があります。そのエクリン汗腺からの汗は、交感神経の刺激により分泌されるので、中枢神経、 脊髄(せきずい)神経、末梢(まっしょう)神経、エクリン汗腺自体のどこかに異常があると、汗が出なくなります。
 先天性無汗症は、先天性無汗性外胚葉形成不全症の部分症状として生じます。組織学的に汗腺を欠いて無汗のため、夏季や運動後などに発熱します。先天性全身性無汗症では、毛や歯の異常を伴うことがあります。後天性全身性無汗症では、発汗刺激時に皮膚に痛みを伴うことがあります。
 広範囲の皮膚で汗が出ない全身性無汗症では、運動時や高温が長時間続く環境下で汗が出ないために体温調節ができなくなり、体温が上昇して倦怠(けんたい)感が現れます。熱中症の危険も増します。
 狭い範囲の限局性無汗症では、特に症状はなく、偶然に気付くことがあります。
 無汗症には多くの原因があります。皮膚科、ないし皮膚泌尿器科を受診し、適切に対処することが大切です。
[ふらふら]無汗症の検査と診断と治療
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による診断では、中枢神経系、脊髄神経系、末梢神経系の疾患があると汗が出なくなるので、これらの異常の有無を調べる神経学的検査や画像検査を行います。
 エクリン汗腺自体に異常があるかどうかを調べるためには、アセチルコリンを皮内に注射しエクリン汗腺を刺激して、発汗の有無を見ます。コリン刺激薬をイオンフォレーシスで導入して、発汗の有無を調べる検査方法もあります。
 皮膚科、皮膚泌尿器科の医師による治療では、神経疾患やそのほかの疾患に伴う無汗症に対しては、原因になっている疾患を治すことが第一です。
 先天性無汗症に対しては、よい対処法がありません。熱中症にならないように、環境に注意しながら生活してもらいます。

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