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■厚労省呼び掛け、海外旅行でのはしか感染に注意を 欧州で流行中で死者も [健康ダイジェスト]

 夏休みを利用した海外旅行が本格化するのを前に、厚生労働省は海外でのはしかの感染に注意するよう呼び掛けを始めました。
 日本人に人気の旅行先である欧州では現在、はしかが流行。厚労省は、「予防接種歴を確認し、不明の場合は抗体検査を受けてほしい」と呼び掛けています。
 厚労省は、人気キャラクター「マジンガーZ」をポスターとリーフレットに採用。はしかは「麻疹(ましん)」とも呼ばれることから、キャラクター名を「麻しんがゼロ」ともじって、海外渡航者に注意喚起します。ポスターは、全国の自治体や検疫所、パスポートセンターなどに配布します。
 国立感染症研究所によると、今年の国内患者数は7月23日までに168人と、昨年1年間の159人を早くも上回りました。日本は2015年、世界保健機関(WHO)から国内に土着のウイルスが存在しない「排除国」に認定され、同年には患者数が過去最低の35人となりましたが、一転し2年連続の増加となります。
 厚労省によると、海外で感染し、帰国後に発症するケースが多く、欧州や中国、インドなどで、感染に注意する必要があるといいます。イタリアでは今年に入り3842人の患者が報告され、3人の死者も出ています。ルーマニアでは昨年1月以降、8246人の患者が報告され、32人が亡くなりました。
 はしかは「麻疹ウイルス」によって起こる感染症で、その感染力はウイルスの中で最も強く、はしかを発症している人と同じ部屋にいるだけで空気感染することがあります。ワクチン接種を受けていない人は、海外旅行の際にかかる可能性が高くなります。潜伏期間は10~12日間。主な症状は発熱や発疹で、先進国においては滅多に死亡することはありませんが、まれに肺炎や脳炎を合併すると死亡することもあります。
 厚労省は、予防接種を2回受けるよう勧めています。接種歴がわからない人は、医療機関で抗体検査を受けるのが望ましいとしています。日本国内では26~39歳の世代が、ワクチン接種数を1回しか受けていないためにワクチンの効果が十分ではなく、海外ではしかに感染するリスクが高くなります。

 2017年8月4日(金)

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