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■iPS細胞から輸血用血小板を量産する技術を確立 国内16社が2020年の製品化目指す [健康ダイジェスト]

 京都大学の研究者らが設立したベンチャー企業「メガカリオン」(京都市下京区)は7日、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から止血作用のある輸血用の血小板製剤を大量に作る技術を、ほかの医療関連企業などと共同開発したと発表しました。
 2018年にも、血液中の血小板が減る血小板減少症の患者を対象に、人での安全性や効果を確かめる臨床試験(治験)を日本とアメリカで始め、再生医療製品として2020年の製造販売承認を目指します。
 メガカリオンはすでに、京都大から提供されたiPS細胞から、血小板のもととなる細胞を作って凍結保存し、解凍して培養し、止血作用がある血小板に変化させ、輸血用バッグに詰めて製剤にする技術を持っています。ただし、治療として普及させるのに必要な大量製造の技術を有していませんでした。
 そこで、メガカリオンは大塚製薬工場(徳島県鳴門市)、シスメックス(神戸市中央区)、京都製作所(京都市伏見区)など15社と提携。血小板のもとになる細胞を一度に大量培養する容器や、培養した血小板から不純物を取り除くフィルターを作るなどして、1週間に2000~3000の輸血用バッグを製造する技術を開発できたといいます。
 承認後は、15社以外の別の企業に委託し、血小板製剤の製造工場を建設します。
 国内の血小板の輸血は、年間80万人が受けています。一方で、人口減などで献血者は年々減っており、今後は少子高齢化によって、献血では供給が間に合わなくなると懸念されています。
 メガカリオンによると、iPS細胞を使って血小板を作るコストは献血を使うよりも大幅に安いといいます。冷蔵保存できず4日しか持たない献血由来の血小板に比べ、iPS細胞から作れば無菌化により2週間ほど保存できるため保管コストも安くなります。
 ウイルスなど病原体の混入も防げます。献血に混入したウイルスが薬害エイズ事件やC型肝炎の感染拡大などを引き起こしましたが、iPS細胞で作ればこのリスクを回避できるようになります。
 メガカリオンの三輪玄二郎社長は、「献血不足を補う新たな技術として普及させたい」と話しています。

 2017年8月7日(月)

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