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■川崎病の患者、初めて1万6000人を超える 2015年に過去最多、2016年はやや減少 [健康ダイジェスト]

 乳幼児がかかる原因不明の難病で、心臓の後遺症の恐れがある「川崎病」の患者が、2015年に初めて1万6000人を超えて過去最多となったことが30日、NPO法人「日本川崎病研究センター」(東京都千代田区)の全国調査で明らかになりました。
 2016年はやや減少しましたが、依然高水準にあり、日本川崎病研究センターは「推移を注視する必要がある」と指摘。専門家は「発疹などの症状があればまずは小児科を受診し、必要に応じて専門病院を紹介してもらってほしい」と呼び掛けています。
 川崎病は、小児科医の川崎富作氏が1967年に世界で初めて報告した原因不明の疾患で、主に4歳以下の乳幼児がかかります。全身の血管が炎症を起こし、高い熱が出るとともに体全体に赤い発疹が現れ、目が充血したり、舌がイチゴのように赤くはれるといった症状が現れます。重症化した場合は心臓の冠動脈に「こぶ」ができるなどの重い合併症が起こるため、重症化をどう防ぐかが大きな課題となっています。しかし、原因が未解明のために予防法はなく、治療はそれぞれの症状を鎮めるための対症療法が中心のまま。
 1990年ごろから患者が増加傾向にあり、2005年以降は患者が1万人を超えて、長期的な流行になっている可能性がありますが、理由はわかっていません。  
 日本川崎病研究センターによると、2015年の患者数は1万6323人で、0~4歳の10万人当たり発症者数(罹患〔りかん〕率)は330人。患者数、罹患率ともに1982年、1986年の大流行を上回り、全国調査が始まった1970年以降で最多でした。
 2016年の患者数は1万5272人、罹患率は309人と、やや減少しました。2015年、2016年に1人ずつが死亡し、死因は心筋梗塞と急性硬膜下血腫といいます。
 都道府県別でみると、2015年、2016年の2年間で患者が多かったのは東京都、神奈川県、愛知県、大阪府。
 全国調査は2年に1度、全国の医療機関の小児科を対象に実施し、結果を公表しています。

 2017年9月30日(土)

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