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■体内時計の仕組み発見にノーベル医学・生理学賞 アメリカの研究者3人 [健康ダイジェスト]

 2017年のノーベル医学・生理学賞に、地球上の生物がどのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているかという「体内時計」の仕組みを明らかにしたアメリカの3人の研究者が選ばれました。日本の研究者によるノーベル医学・生理学賞の3年連続受賞は、なりませんでした。
 スウェーデンのストックホルムにあるノーベル賞の選考委員会は日本時間の2日午後6時半ごろ記者会見し、今年のノーベル医学・生理学賞に、いずれもアメリカの、メーン大学のジェフリー・ホール博士、ブランダイス大学のマイケル・ロスバッシュ教授、それにロックフェラー大学のマイケル・ヤング教授の3人を選んだと発表しました。
 3人は1980年代に、植物や動物、それに人などの生物が、どのようにして24時間のサイクルを把握し、体内のリズムを作り出しているのか、その仕組みを調べようと、ショウジョウバエを使った実験を行って、体内のリズムを制御している遺伝子を発見しました。
 この遺伝子は「時計遺伝子」と呼ばれ、太陽の光を浴びることで時間を把握し、夕方になると発現して、タンパク質を作り始めることがわかりました。
 さらに、このタンパク質が増えることで、人などの昼間に行動する生物は眠気を感じるようになり、逆に、タンパク質が減ると目が覚めることがわかり、この遺伝子が、いわば「体内時計」の役割を果たしていることを突き止めました。
 体内時計の仕組みは、ホルモンや代謝、体温の変化なども制御しており、このリズムに逆らって生活を送ると、体に大きな負担がかかり、睡眠障害などさまざまな病気を引き起こすリスクが高まると考えられています。
 ノーベル賞の選考委員会は授賞理由について、「3人は、生物が持つ体内時計に関する遺伝子を発見し、その遺伝子が光によって調節されていることを見付けた。この発見は、健康維持に重要な、体内時計という新たな研究分野を切り開いた」と評価しています。
 体内時計の仕組みに詳しい京都府立医科大学統合生理学部門の八木田和弘教授は、「この3人は、時計遺伝子を見付け、なぜ、この遺伝子で生物が24時間のリズムを作り出せるのかを明らかにした伝説的な研究者です。体内時計は、今では、すべての生物で、共通のメカニズムで備わっていることがわかっています。不規則な生活を送ることでさまざまな病気のリスクが増えることと、体内時計の仕組みとが、どのようにかかわっているのか、これから明らかにしていく必要があります。3人の研究は、体内時計の重要さを示すとともに、関連した研究の発展に大きく貢献しています」と話していました。
 ノーベル医学・生理学賞の授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金900万クローナ(約1億2500万円)が3氏に贈られます。

 2017年10月2日(月)

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