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■抗インフルエンザ薬、マダニ感染症に効果 愛媛大などが治療法確立を目指す [健康ダイジェスト]

 愛媛大学などは9日、マダニなどが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の治療に、抗インフルエンザ薬「アビガン」(一般名・ファビピラビル)が効果を示したと発表しました。
 臨床研究で患者10人に投与し、8人が回復したといいます。治療開始時に体内のウイルス量が多かった2人は、死亡しました。根本治療法がないSFTSの薬として使用できるとみて、今後も研究を続けて治療法の確立につなげたいとしています。
 SFTSは下痢、腹痛、意識障害などの症状を伴い、死に至ることもあります。愛媛大の安川正貴教授(内科)は長崎大学、国立感染症研究所とSFTSの治療法を見付けるための研究組織を作り、2016年5~12月に臨床研究を実施しました。
 アビガンは、ウイルスが遺伝子を複製し増殖するのを防ぐタイプの薬で、富士フイルムグループの富山化学工業(東京都新宿区)が開発しました。このアビガンを50~80歳代のSFTSの患者10人に5~14日投与し、症状が回復した8人は、血液からウイルスが検出されなくなり、減っていた白血球と血小板の数が回復しました。副作用も認められなかったといいます。
 体内のウイルス量が多く死亡した2人は、多臓器不全の状態だったため薬の効果がなかったと考えられるといいます。ウイルス量が多くても多臓器不全などに陥っていない患者は、回復したといいます。
 研究責任者の安川教授は、「有効性を証明するため症例数を増やしたい。早めの治療ができれば重症化を防ぎ救命できるはずだ」と話しています。
 SFTSは2013年に山口県で、国内初の患者が確認されました。これまでに西日本中心に300人以上の患者が報告され、このうち約2割に当たる約60人が亡くなっています。SFTSウイルスを保有するマダニにかまれて感染すると知られてきましたが、最近では、飼い犬から人に感染した例も判明しました。

 2017年11月10日(金)

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