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■脂肪組織由来の幹細胞移植で、脳内出血を治療 会津中央病院が臨床研究 [健康ダイジェスト]

 会津中央病院(福島県会津若松市)脳神経外科、福島県立医科大学(福島市)神経内科学教室と脳神経外科は、脳内出血患者の脳内に自身の皮下脂肪から採取した脂肪組織由来の幹細胞を直接投与し、治療する再生医療の共同研究を行っています。
 幹細胞が脳内出血で壊れた脳細胞に代わって脳に生着し、機能を代償すれば手足のまひの改善などが期待されます。脳内出血による後遺症は社会的課題でもあり、全国初の共同研究の成果に注目が集まっています。
 脳内出血は、主に高血圧が原因で発症する急性脳血管障害。今回の共同研究では、最も発生頻度が高い、被殻(ひかく)という部分の出血と診断された患者を対象としています。
 脳内出血でできた血腫を取り除く手術をした後、その部分にドレーン(管)を入れておき、術後1週間以内に細胞治療を行います。患者自身の腹部や太ももから皮下脂肪を吸引採取し、採取した皮下脂肪を細胞分離装置(遠心分離機)で処理。皮下脂肪組織から細胞溶液を取り出し、培養などの加工を経ず、すぐにドレーンから脳内に注入するといいます。
 皮下脂肪組織はほとんどが脂肪細胞であるものの、その透き間に幹細胞が含まれ、骨髄から採取する場合に比べて、10倍から100倍の幹細胞が含まれるといいます。
 細胞集団には、血管を新たに作る機能を促す、さまざまな成長因子を出す、炎症を調整するという3つの働きがあるとわかっており、脳内に移植した幹細胞がこれらの働きをすることで効果を出すと考えられます。
 脂肪組織由来の幹細胞は、単位細胞当たりの能力が骨髄由来幹細胞より高く、細胞数も元々多いため、培養などで数週間をかけて細胞数を増やす必要がないため、脳内出血の急性期の状態での治療が可能といいます。
 会津中央病院では、すでに1人の患者で臨床研究が行われ、効果を観察しています。現在、副作用はみられず、リハビリも順調に進んでいるといいます。
 臨床研究の責任者の前田佳一郎会津中央病院副院長・脳神経外科部長(51歳)は、「破壊された脳組織は手術では元に戻らない。リハビリだけでは限界があり、しっかりと効果を観察したい」と話しています。

 2017年12月4日(月)

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