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■若年成人がん、年98万人が発症し36万人死亡 国際がん研究機関が初の推計 [健康ダイジェスト]

 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は、20~39歳の若年成人のがんについて、世界の新規診断(発症)数と死亡数の年間推計を初めてまとめました。2012年には約98万人が発症し、約36万人が死亡。女性が発症の3分の2、死亡も過半数を占めることが、明らかになりました。
 がんの研究は従来、患者数が多い高齢者と、治ればその後の生存期間が長い子供のがんに重点が置かれ、働き盛りである若年成人の実態把握は遅れていました。
 IARCは、今回明らかになった実態に合わせ、効果的な対策を検討すべきだとしています。
 推計には、計27種類のがんについて、世界184カ国のデータを利用。発症数で最も多かったのは、女性の乳がんで約19万1000人。子宮頸(けい)がんの約11万1000人、甲状腺がんの約7万9000人、白血病の約4万9000人が続きました。
 死亡数でも乳がんが約4万9000人と最多で、白血病と肝臓がんの約3万6000人、子宮頸がんの約2万8000人と続きました。乳がんや子宮頸がんの多さを反映し、女性が占める割合は、発症数の65%、死亡数の54%に達していました。
 IARCは若年成人のがんの特徴について、喫煙や飲酒などの生活習慣と関係が深いがんは少ない一方、予防手段が取れるがんがいくつもあると分析。具体的には、子宮頸がんとB型肝炎ウイルスによる肝臓がんは、ワクチンによって大きな削減が期待できるとし、子宮頸がん検診のメリットにも言及しました。
 その上で、こうした実情を一般の人、専門家の双方に広く知らせることが大切だと指摘しました。
 若年成人のがんの傾向は、日本でも変わりません。特に30歳代に限ると、女性のがん患者は乳がんと子宮頸がんが比較的、若い世代に多いのを反映して、男性の2・6倍に上ります。
 乳がんは、女性ホルモンの影響を受けて増殖するため、ピークの40歳代後半にかけて患者数は右肩上がりですが、閉経後は減ります。一方、子宮頚がんは、ほぼ99%がセックスが媒介するヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で、セックスの低年齢化により、若い世代に広がっています。
 子宮頚がんは、ワクチンの副反応問題がありますが、接種で予防できるのは事実です。乳がんは、毎月の自己触診と定期的に検診を受けていれば早期発見できます。ところが、子宮頚がんも乳がんも、女性のがんの検診は40%前後と受診率が低くくなっています。

 2017年12月5日(火)

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