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■ネットゲーム依存症、国際疾病分類に指定へ WHOが6月の改訂版から [健康ダイジェスト]

 インターネットゲームなどのやりすぎで日常生活に支障を来す症状について、世界保健機関(WHO)が2018年に、病気とけがの世界的な統一基準である国際疾病分類(ICD)に初めて盛り込む方針であることが明らかになりました。
 国際サッカー連盟(FIFA)主催の世界大会が開かれたり、オリンピックへの採用が検討されたりするなどインターネットゲームが広く普及する中、負の側面であるネット依存の実態把握や対策に役立てられそうです。
 WHO関係者によると、2018年5月の総会を経て、6月に公表を予定する最新版のICD―11で、「Gaming disorder」(ゲーム症・障害)を新たに盛り込みます。2017年末にトルコで開かれた依存症に関する会議で、最終草案を確認しました。
 最終草案では、ゲーム症・障害を「持続または反復するゲーム行動」と説明。ゲームをする衝動が止められない▽ゲームを最優先する▽問題が起きてもゲームを続ける▽個人や家族、社会、学習、仕事などに重大な問題が生じる、を具体的な症状としています。
 診断に必要な症状の継続期間は「最低12カ月」としていますが、特に幼少期は進行が早いとして、すべての症状に当てはまり、重症であれば、より短い期間でもゲーム症・障害と見なす方針。
 ゲームを含むネット依存はこれまで統一した定義がなく、国際的な統計もありませんでした。新しい定義は、各国での診断や統計調査に役立てられます。厚生労働省の国際分類情報管理室は、「公表から数年後にICD―11を統計調査に使う」としています。
 依存症の専門家によると、ネット依存の人は酒や薬物の依存者のように脳の働きが大きく低下し、感情をうまくコントロールできなくなるとの研究論文が近年、国際的な医学誌に多数報告されています。
 このためWHOは、ネット依存をギャンブルのように熱中しすぎるとやめられなくなる「嗜癖(しへき)行動」と捉えることにしました。そのうち研究結果の多い「ゲーム症・障害」を疾病として分類します。また、LINEやツイッターなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)によるネット依存については、「その他の嗜癖行動による障害」と捉えます。
 これまでは、いずれも「その他の習慣および衝動の障害」とされていました。
 ゲームを含むネット依存について、香港大学の研究者は2014年、世界の人口の6%(約4億2000万人)以上と推計。日本でも厚労省発表で、成人の約421万人(2014年)、中高生の52万人(2013年)にネット依存の疑いがあるとされます。
 ネット依存外来を開く国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は、「これまでは病名や定義がなく、治療や研究、実態解明も進まなかった。WHOが新たに定義すれば、対策の面で飛躍的な前進が期待できる」と話しています。

 2018年1月5日(金)

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