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■成育医療研、ES細胞を応用した臨床試験を申請 実施されれば国内で初めて [健康ダイジェスト]

 受精卵から作製され、人のさまざまな体の組織に変化するES細胞(胚性幹細胞)から作った肝臓の細胞を使って、病気の乳児を治療する臨床試験(治験)を国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の研究チームが、厚生労働省に承認申請しました。ES細胞を応用した臨床試験が実施されれば、国内では初めてです。
 国立成育医療研究センターの福田晃也医長の研究チームは、肝臓で特定の酵素が働かないため、血液中の有毒物質であるアンモニアを分解できない難病の「尿素サイクル異常症」の乳児に、ES細胞から作った肝臓の細胞を移植することで治療することを目指しています。
 3月、厚労省に臨床試験の実施を申請しており、承認されれば、早ければ今年秋にも1例目を行い、2年間で5人程度に実施して効果を評価することにしています。
 尿素サイクル異常症は、肝臓移植以外には根本的な治療法はありませんが、体が小さいと移植できないため、生後3カ月から5カ月ほどしてから行いますが、それまでの間に亡くなってしまうケースがあるということです。今回の臨床試験でも根治できず、最終的には肝臓移植が必要ですが、血液中のアンモニア濃度を適正に下げることができれば、それまでの容体の安定化が期待できます。
 研究チームによりますと、ES細胞の臨床応用は海外で進んでいますが、日本では受精卵からES細胞を作製することに対して生命倫理上の問題点が議論され、実施されていません。
 国立成育医療研究センターの福田医長は、「肝臓を移植するまでの間の治療として有効だと考えていて、安全に実施できるようにしたい」と話しています。

 2018年4月28日(土)

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